お金の本

Books#29 『世界一楽しい 決算書の読み方』

皆さんこんにちわ(^^) 今日も素敵な読書ライフを送っていますか?

今回紹介する本は、大手町のランダムウォーカー氏が書かれた『世界一楽しい 決算書の読み方』と言う本です。

今年に入ってから新NISAが始まりましたね。それと同時に証券口座を開設された方も多くいるのではないでしょうか?

その中の多くの方は、もしかしたらアメリカのインデックスファンドを購入されているかもしれません。そして、分散の候補としては日本株を検討されている人も多いのでは無いでしょうか?

実は私も新NISAが始まってからいくつか購入したペーペーの日本株ホルダーです。まだ銘柄数が少なくて分散にもなってませんが^^;

しかし、買うとなる自己責任で、実際にはどの銘柄がいいのか迷います。皆さんどのように決めていますか?

いろいろな手法があるかと思いますが、そのうちの一つに『決算書』があると思います。これを読むことで会社の今の状況や、今後どうなっていくかを予想する材料になるので、今後日本の個別株を増やして分散投資にしたい!日本株をメインで買っていきたい!と考えている方にはすごく参考になる1冊だと感じました。

本書はグラフやイラストをたくさん使っているので、直感でもわかりやすくなっており、説明もすごくわかりやすいです。

初心者がこの1冊読むだけでも、決算書の見るポイントや企業の特色などがわかりやすく書かれているので、おすすめです。

本書では基本的に簿記の知識があった方が話が入ったきやすかったです。今回は本書の趣旨と外れるため、簿記の用語解説等は省きます。私が勉強になったと感じた部分をかいつまんで紹介しますので、興味を持たれたら是非本書を手に取ってみてください。

目次

  1. 著者の紹介
  2. 決算書って何?
  3. 財務3表とは?
  4. まとめ

著者の紹介

大手町のランダムウォーカー

  • Twitter(現X)フォロワー数8万人超え。
  • 公認会計士合格後、大手監査法人勤務を経て独立。
  • 『日本人全員が財務諸表を読める世界を創る』を合言葉に『大手町のランダムウォーカー』として『#会計クイズ』を始め、さまざまな業種や立場の人をネット上で巻き込み好評を博す。
  • 現在は株式会社Fundaにて『#会計クイズ』を運営するほか、企業研修やコンサルティング業務も行なっている。

決算書って何?

さて、ここからは本書の内容に触れていこうと思います。まずは本書の肝である決算書について話をしていきましょう!

そもそも決算書とはなんでしょうか?誰が読んでどのような徳があるのでしょうか?この章ではそこらへんに軽く触れていきます。

では決算書って何?と言う話ですが、一般的には、『企業の事業年度ごとの経営状態や財産状況など、財務状態をまとめた書類のこと』という認識だと思います。

企業が1年間活動してきた結果、どのくらい利益が出ました。またはどのくらいの赤字になりました。などの状況が書かれていたり、これまでの経営の方針やこれからの経営方針なども書かれてあります。

まぁ要するに、その企業が1年の間にどのくらいお金を儲けました。どのくらいにお金を使いました。というお金のプラスマイナスの詳細を書いてある書類、という認識でOKだと思います。

なんだかあまり面白くなさそうな話ですね。その書類を誰が見るのでしょうか?例を挙げるなら、こんな人が読んでいるのかな?って人をいくつかあげます。(本書に書いてありました)

  1. 投資家→企業の決算書に目を通して、『これから伸びる会社か・沈む会社なのか?』などを判断するための判断材料にしている。
  2. 銀行員→企業へ融資をする際に、『この企業にお金を貸しても大丈夫か?』などの判断材料として見る。
  3. 就職活動生→その企業が今後どのような事業展開を見据えているのか?どんな活動を行なっているのか?などを決算書を通して分析して、自分のやりたい仕事が出来るのか?経営状況は安定しているのか?など志望する企業の判断材料にします。

決算書の中身

どんな人が読むのかは大体わかりましたが、その決算書の中身についてはどんなことが書かれているのでしょうか?

一般的には

  1. 貸借対照表(B/S)
  2. 損益計算書(P/L)
  3. キャッシュ・フロー計算書(C/S)
  4. 株主資本等変動計画書(S/S)

この4つがあります。 決算書は財務諸表とも呼ばれており、その中でも①〜③のB/S・P/L・C/Sの情報は特に重要で、『財務3表』とも呼ばれています。本書でもこの3つについての説明が主でした。

そこでこの財務3表について次の章で簡単に解説して行きます。

財務3表とは?

先ほども書きましたが、財務3表には

  1. 貸借対照表(B/S)
  2. 損益計算書(P/L)
  3. キャッシュ・フロー計算書(C/S)

があります。それぞれについてわかる範囲で解説したいと思います。

貸借対照表ってなんだろう?

貸借対照表について、最低限押さえておきたい点は以下の4項目になります。

  1. 貸借対照表は『財産の状況』がわかる
  2. 貸借対照表=バランスシート(B/S)
  3. 項目によって、左右にグループを分ける
  4. 借方(かりかた)と貸方(かしかた)は一致する

非常に簿記的な内容となってきましたね💦

用語がわからない方はGoogle先生に教えてもらいながら進んでください!

これがB/Sの基礎的な知識となります。B/Sでは左側に『資産』、右側には『負債』と『純利益』の項目があります。

資産とは企業が保有している現金や建物などの財産の情報が記載されます。負債の中には企業の借金や債務など、他人から借りてあるお金の情報が記載されます。純資産の中には、経営者が会社設立の際に入れたお金や、会社が利益を上げることで獲得したお金の情報が記載されます。

B/Sは『会社にどのような資産があるか?』という財産の状況や、『財産を誰から・どのように調達したのか?』という調達の状況、『企業の財産がどんな形で運用されているのか?』という運用状況も把握できるようになっています。

資産項目の詳細

では、『資産』の中身についてをもう少し細かく分けて見てみましょう。

資産は大きく分けて『流動資産』と『固定資産』という項目に分かれます。

流動資産』には現金、売掛金(ツケで売り後からお金が入ってくる資産)、有価証券、実際の商品など、基本的には短い期間(1年の間)に現金化出来るなど流動性がある資産のことを指します。

逆に『固定資産』は資金の回収が長期に及ぶもの(1年以上かけても現金化する事が難しい)資産のことを指しています。例えば、土地、建物、建物の中にある備品、社用車、などなど直接的なお金にはなりませんが、売り上げを立てるために必要なものなどは固定資産として計上されるのです。

負債項目の詳細

では次に負債に関して細かくみていきましょう!といっても資産と考え方は同じになります。

この項目は短期的・長期的に企業が返済しなければならない債務が記載されています。

資産と同じように、返済の期限に分けて『流動負債』と『固定負債』に分かれています。

流動負債』には商品などを仕入れた時の代金のツケ(買掛金)や、固定資産を買うときの分割払いで生じる未払金、借入金で返済期間が1年以内に来る短期借入金などがあります。

固定負債』に関しては、返済期限が1年以上先になっている長期借入金や返済期限が1年以上先になっている社債などが記載されます。

負債に関しては返済期間1年以上が否かが大きな判断基準になっています。

純資産項目の詳細

純資産に関しては、負債と違い『返済不要な資金』を指します。

この項目は、経営者が会社設立時に入れた『資本金』であったり、今までの利益を積み重ねた『利益剰余金』などが記載されます。これらをまとめて、『株主資本』と呼ばれます。

また、株主資本以外の項目も記載しますが、こちらは少し項目が長かったり内容が難しいものもあるので今回は割愛させて頂きます。

純資産では特にこの『株主資本』が重要です。その理由は「企業側が自由に使う事ができるお金」になるからです。

そして、この純資産の枠が右側に多ければ、それだけ企業の返済する借金なども少なく、利益も出てる企業なのかなと読み取る事ができます。

B/Sのまとめ

そして、上の3つの『資産』と『負債』と『純資産』の中身や割合などをみていくと、その企業がどんな種類の資産を持っているのか?どんな負債が今あって、いつ頃までにどのくらい負債を返さないといけないのか?純資産がどの程度手元に残っているのか?などがなんとなーくわかってきます。

これでB/Sの中身はなんとなくわかったと思います。そして、ここからが本番です!

当たり前ですが、B/Sの形は業種やその企業の経営戦略などで中身が大きく違ってきます。

本書を読んでいくと、なるほどなぁ、と感心します。

例えば、本書で紹介されていた問題で、

  1. 小売業
  2. IT企業
  3. 鉄道業

この中で固定資産が多くなるB/Sになるのはどの業種でしょうか?という問題がありました。

では皆さんも一緒に考えてみましょう、この中で固定資産が大きくなりそうな業種はどれになりそうですか?

・・・

・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

正解は③の鉄道業です

ちなみに固定資産とは建物や土地、社用車などがあります。鉄道業は運営するために車両や線路が必須ですね。なので自然と固定資産が増える傾向にあります。

ちなみにIT業務ではパソコンやオフィスなどがあれば、そこで作業するだけです。なので資産はどちらかと言えば流動資産が多くなりそうですね。

小売業も仕入れ商品を店頭で販売してすぐに現金化出来るイメージ、店舗がたくさんなら固定資産も増えそうですが、戦略は基本的に商品の販売なので、こちらも流動性が少し多くなるかな?とイメージできます。

このように、業種だけでもある程度資産の項目や負債が何を指しているのか?がイメージしやすくなりますね。

損益計算書ってなんだろう?

では次に損益計算書について見ていきましょう!

損益計算書は(Profit and Loss Statement)でP/Lと略させる事が多いです。

P/Lを簡単にいうと、『企業が1年間でいくら売り上げて、いくら費用がかかったのか、その結果、いくら利益が出たのかを記録したもの』になります。

砕いて言えば、この企業は今年儲かったのか?赤字経営になっていたのか?という企業の成績表が書かれているものです。

ちなみにProfitは利益、Lossは損失、Statementは計算書。英語でもそのまま損益計算書という意味です。

P/Lでは基本的に左に費用の項目があり、右に収益の項目が入ります。そして、利益が出ている場合は左側の費用の下に利益の項目が入ります。逆に損失の方が大きい場合は右側の収益の下に損失という項目が入ります。

例えば利益が100万、費用が80万だったとしたら、20万の利益が出ます。利益が出ていれば費用の下側に利益の項目が入ります。 P/Lには大きく分けて今紹介した『収益』、『費用』、『利益または損失』の3つの情報が入ってきます。またそれぞれの項目には細分化された項目があるので、何がどこの項目に当てはまるのかを知っていると予想が立ちやすいかもしれません。

収益項目の詳細

ではそれぞれの中身を見ていきます。まず目につく『収益』の中身を見ていきましょう。

ここの項目は以下の5つです。

  1. 売上総利益
  2. 営業利益
  3. 経常利益
  4. 税引前当期純利益
  5. 当期純利益

の5つです。

売上総利益についてですが、売り上げたお金(売上高)から商品の原価を差し引いた金額をいいます。粗利益や粗利などという言葉で表す事が多いかもしれません。

営業利益についてです。一般的に言われる『利益』は、この営業利益を指していることも多いです。

営業利益は売上総利益から販管費(販売費および一般管理費)を差し引いて計算します。

この販管費とは商品を売るために発生した費用と、会社全体の管理にかかる費用(一般管理費)の総称です。

この中には従業員の給料、広告宣伝費、運搬費、地代家賃(オフィスを借りている場合の家賃)、減価償却費(固定資産に一定期間かかる費用)、外注費(外部業者への委託金など)が主な販管費の例です。

企業ごとに業務内容によって販管費が大きく異なってくるので、会社と特色も出やすい所です。企業分析の際は気にかけて見ると面白いかもしれません。

経常利益について、これは『会社の実力が1番反映される利益』とも言われる所です。

この経常利益は、先ほどの営業利益とは別に本業以外で獲得した収益(営業外収益)を加算し、費用(営業外費用)を控除して計算します。

この営業外収益とは、本業以外での活動(例えば株の売買、利息収支など)で利益が出れば、その分経常利益も大きくなります。

④・⑤税引前当期純利益・当期純利益についてです。

これは先ほどの経常利益から特定の期間に発生した事をプラス、マイナスして計算された利益になります。

例えば、毎期のように発生しない事柄(特別損失:火災による損失や事業の売却など)の利益や損失を加算して計算されるものです。

そして、この税引前当期純利益から、法人税等の税金コストを控除する事で5つ目の『当期純利益』が計算されます。

非常に長い道のりでしたが、これで会社の手元に残る当期の純利益がわかりました。簡単に言えば、(売上高+営業外収益+特別利益)のプラスの項目から(売上原価+販管費+営業外費用+特別損失+法人税等)などの費用を差し引くと、今年手元に残った純資産がわかるよってお話でした!

簡単に言えば、企業の通知表見たいなものですね。

そして、その中身を見ていく事で、企業の戦略がわかってきます。特に費用に関しては、その企業がどんな事に力を入れてお金を使ってるのか?がわかります。

例えば営業で多くの人を雇っていたら『人件費が上がります。テレビCMをたくさん打つ企業は『広告宣伝費』が多くなるなど、その企業がどんな努力をして売り上げを伸ばそうとしてるのかがP/Lでは透けて見えてきます。

フランチャイズ方式とは?

ここで本書の例の中にフランチャイズ方式による利益について書かれていたのが勉強になったので簡単に解説しようと思います。

まずフランチャイズって何?って所ですが、代表的な例で言えばコンビニなどがよくフランチャイズ経営をしています。本書ではセブン-イレブンを例にあげていましたが、セブン-イレブンの本部があり、その他の加盟店に『セブン-イレブンの看板掲げて商売始めませんか?経営方法やセブン-イレブンの商品を販売してもいいですよー!その代わり、売上の一部をロイヤリティとして支払ってくださいね』的なものです。

メリットとしては経営のサポートやマニュアルなどが初めからあるので商売を始めやすかったり、ブランド力があるためある程度の収益は初めから見込めます。

そして、P/Lでは売上高には『フランチャイズ+直営店』の両方の収入が表示されますが、原価については直営店のものしか反映されないようです。な

ので売上原価が予想よりもだいぶ低く記載されるようです。

しかし、実際はフランチャイズの店舗の売上原価は加味されていないだけで、フランチャイズ全体の原価まで入れたら結構な原価率になるようです。

その会社がどのようなビジネスで利益を上げているのか?の仕組みなども理解しないと騙された!と勘違いしそうですね。

キャッシュ・フロー計算書ってなんだろう?

では財務3表の最後、キャッシュ・フロー計算書について見ていきます。

キャッシュ・フロー計算書(Cash Flow Statement(C/S))とは、簡単にいうと『企業の現金や預金がどのくらい増えたか。または減ったか』を計算している書類のことです。

当たり前のことを言ってはりますやん。さっきの損益計算書(P/L)の何がちゃいますのん?と思われた方もいるかもされませんが、少しお待ちを。

企業の3つの活動は大きく分けて3つあります。

  1. 営業活動
  2. 投資活動 
  3. 財務活動

の3つです。C/Sではこの企業の活動によって得られた「収入」から「支出」を差し引いて、手元に残る資金(現金)を計算するものです。

営業活動とは、本業の営業活動において現金がどの程度増減したのか?を示す活動です。

投資活動に関しては、固定資産や株式への投資による現金の増減を表したものとなります。

財務活動に関しては、資金の調達や借入金の返済などによる現金の増減を示しています。

では次から3つの項目を少し深掘りしていきましょう。

営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フロー(以下C/F)は企業の活動により入ってきた、または出ていった現金の動きが記載されます。

例えば、商品販売で入ってきたお金、材料費の仕入れで支払いをしたお金、販管費で支払ったお金などが該当します。

また、『税金の支払い』、『災害にあった際の保険金の受け取り』などは投資や財務にも区分されない項目も記載されます。

営業C/Fは3つのうちでも特に重要となります。

ここがプラスになっているかどうかは、利益が出ているかどうかよりも重要視される場合があります。

その理由は『黒字倒産』が関係しています。利益が全て現金であれば営業キャッシュフローもその分増えますが、売上代金は売掛金やクレジットカードで支払うクレジット売掛金など、後払いとなる資産項目があります。

なので、売上に計上してるけど、実際のお金が入ってきていない状態が多くなると、売り上げは大きいのに手元にお金がないという状態が発生します。

売掛金をしっかり回収できているのか?いざという時に使えるお金が手元にあるのか?それを知る手掛かりとなるのが営業C/Fになります。

投資活動によるキャッシュ・フロー

投資C/Fは、企業の投資活動で入ってきたり、出ていった現金の動きが記載されています。

投資で株式や土地、建物などを購入して現金を支払えばマイナス、土地や建物や設備や株式を売却して現金を受け取ればプラスとなります。

投資C/Fでは単純にマイナスだから悪い、という事ではありません。この項目では営業活動や財務活動によって得たお金を投資に回して『事業拡大』を目指しているか?がわかります。

投資をしていない企業は長い目で見ると、今の規模のままで現状維持又は徐々に衰退していく可能性があります。

企業として成長をできるかは何に投資をしているかによるところが大きいです。

逆にこの項目がプラスとなっているという事は、設備や土地などを売っているという事です。

これは事業を縮小しようとしてると捉えることができる場合もあります。なので、投資C/Fを読み解く事で、企業の投資方針などの経営スタンスを推測する事ができます。

財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるC/Fは非常にシンプルで、企業が株式や借入金を通して資金調達を行う際の、調達と返済の状況が記載されます。

資金調達をして現金預金が増えればプラスとなりますし、減ったらマイナスになります。

企業が上場した際には、一般投資家から何十億規模の資金を調達できる為、財務C/Fは大きくなる事が多いです。

なので、この項目では借入金やその返済での現金預金の増減や、新規で株を発行した際の収入でどのくらい現金が増えたのか?がわかる項目です。

では次に、どのC/Sの形が良いのか?悪いのか?についてです。どのC/Fがそれぞれプラスまたはマイナスになっていればいいか悪いかの参考になるかと思いますので、いくつか紹介します。

健全型C/F

これは営業C/Fがプラス、投資C/Fと財務C/Fがマイナスにあり、非常に良い状態です。

本業で得た資金を投資や借入金の返済に充てている状態となります。

積極型C/F

こちらは営業C/Fと財務C/Fがプラスで、投資C/Fがマイナスという形です。

これは事業拡大をしている企業に多いC/Fと言われています。本業で得た資金を投資に回して、それでも足りない分を借入金によって補っている状態です。

改善型C/F

逆にこちらは営業C/Fと投資C/Fがプラスで、財務C/Fがマイナスになっている形です。

これは事業を縮小しようとしている企業に多いC/Fとなります。

本業で得た資金と、投資していた土地や育ててきた事業の一部を売却するなどして資金を増やして、借入金の返済を行っている状況です。

投資活動が行われていない為、今後事業が縮小していく事が予想できますね。

救済型C/F

こちらは非常にヤバいC/Fです。

営業C/Fがマイナスで、投資C/Fと財務活動がプラスとなっています。この形の企業はかなり厳しいC/Fだという事を覚えておきましょう。

営業C/Fがマイナスという事は赤字となっている事を表しており、投資C/Fから固定資産や事業の売却などで資金調達をしています。

しかし、それでも足りないので、借入金を増やして資金を確保している状態です。財務C/Fがプラスになってる時は借入金や株の発行で資金を増やしている状態ですが、この状況では株を発行しても買い手がなかなか見つからない状況と考えるのが妥当かなと思います。

本書では2016年の東芝のC/Sがまさにそのような形となっていたため紹介されていました。気になる方は調べてみてください。

まとめ

今回は大手町のランダムウォーカーさんが書かれた『世界一楽しい決算書の読み方』について解説しました。

読む前は財務3表って何?読んでも理解出来そうにないかも!と苦手意識が先行していましたが、実際に読んでみる事で、貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)の中身について知ることができたことや、それプラスで企業ごとにどんな戦略で動いているのか?などがそれぞれの表を見ることでなんとなくわかってくる点が面白いなと感じました。

もちろん企業ごとの分析も必要ですが、C/Fでお金の増減を見ることで、企業の財務状況もわかり、企業が今後成長していくか?個別株を購入するためにどんな企業が好ましいか?など判断できる材料が増えた気がしました。

また、本書は基礎編で本書の続編の、『世界一楽しい 決算書の読み方 実践編』も発売されていますので、本書を読まれてもっと決算書の勉強をしたい!という方は実践編も読んでみる事をおすすめします。

今回も長文でしたが読んで頂きありがとうございました。また次の本でお会いしましょう。

ABOUT ME
KENP
30代で2児の父。子供が誕生してから、自分の一般常識や知識の低さに焦りを覚えて読書をするようになる。読んだなかで将来子供の為になりそうな本を紹介したいと考えブログを立ち上げる。年間読書20~30冊くらい。 趣味:読書・麻雀(オンラインゲーム)