皆さんこんちは! 今日も良い読書ライフを送っていますでしょうか? 今日紹介するのは著者:加藤俊徳先生の『一生頭が良くなり続ける もっとすごい脳の作り方』という本です。
以前紹介させて頂いた『一生頭が良くなり続ける すごい脳の作り方』の続編で、こちらの本も学びの深い内容でした。
リンクをしてるので是非こちらも読んでみて下さい!
本書では社会人向けですが、脳の働きを部分別に解説後、どのように勉強したら効率的に脳を使えるのかを教えてくれる本です。
社会人になっても、仕事を覚えたり、資格を取らなくてはいけないなど、勉強する機会も多いかと思いますが、本書では学生の頃と同じような勉強方法では効率が悪く、上手く大人脳を使えない事を言及されています。
大人流の勉強方法を教えてくれる内容となっており、要所をかいつまんで説明しようかと思いますので、興味がある方はぜひ読んでみて下さい。
目次
- 脳の準備
- 大人のすごい勉強法
- 脳の基礎体力を上げる習慣
- まとめ
❶脳の準備
脳も準備体操が必要
やろうと思っているのに始められない。気持ちを切り替えて集中したいのに出来ない・・・なんて事は多いモノだと思います。
理想の自分と実際の自分のギャップがあり、上手く出来ないのは、あなたの心が弱いからではありません。脳の状態に原因がある事がほとんどだと著者は書かれています。
そして、脳は日々の過ごし方でいかようにも変えていけるとも言います。
運動する前に準備体操が必要な様に、脳を働かせようと思ったらそれ相応の準備が必要なのです。ここでいう脳の働きをよくする事とは、各脳番地の繋がりをよくしてあげる事と捉えてください。
この脳番地同士がうまく連携できないと、集中力や理解力、記憶力などの全ての力が弱くなり、自分の理想に近づく事が難しい状態となります。
では、どうやって準備の状態を作れるのでしょうか?次はそこら辺に触れていきましょう!
脳を発火すればどんどん脳が動き出す
脳が活発に働くとはどういう状態の事でしょうか?まず、脳について軽く説明をしますと、脳がどこかに指令を送る時に微弱な電気信号を目的の所まで伝達します。そして、脳が活発な状態というのは、電気信号がたくさんいろいろな場所に送り出される事だと思って下さい!
そして、この電気信号が活発になった状態のことを本書では『発火』と呼んでいます。 すごい脳を手に入れるためには、この発火をコントロールする事がものすごく重要になります。そして、入力される情報にインパクトがあればあるほど強い発火ぎ起こります。
本書では脳番地を8つに分けて説明をしています。大抵の場合は目や耳、皮膚感覚から得た情報がインプットされて活動が始まります。
そして感情が動き、理解して、思考して、結論を出して、アウトプットする、という流れでこのプロセスの中で様々な連携を行い脳が発火していきます。
先程電気信号が伝達されてと説明しましたが、各脳番地を繋ぐ道はたくさんあります。その中でもよく使う道はたくさんの情報をスピーディーに伝達できます。
しかし、あまり使われていない道では、伝達する情報やスピードが少なくなり、返ってくる情報もまた少なくなります。
なので、脳を満遍なく使っていろいろな道を使っていく事がすごい脳を作る事になるのです。
伝達した情報を元に発火すること本書では『ファイアリング』と呼んでいるので、以降はファイアリングで統一します。
はじめにファイアリングが起こると、次の脳番地へ伝達する際もファイアリングを伝達します。これが『ネットワークファイアリング』です。要は、ファイアリングを起こして、ネットワークファイアリングで伝達して、また次のところでもファイアリングを起こして・・・といった事が繰り返されています。さらに、情報のインパクトが強いとファイアリングも強火になり、次のファイアリングへと伝搬しやすくなるのです。
なので最初のファイアリングが強いほどに記憶としても残りやすい!という事になります。
脳のファイアリングには3種類あり
- 短期反応
- 中期反応
- 長期反応
に分かれます。脳番地同士の連携プレーがうまくいっている時は短期反応(最初の発火)→ネットワークファイアリング→中期反応(2回目の発火)→ネットワークファイアリング→長期反応(3回目の発火)という順番です。
短期反応では視覚系・聴覚系・運動系+感情系の一部が動きます。短期反応は、情報収集能力に長けた入力系の脳番地が担当しているため、入力系ファイアリングと思って下さい。
次に中期反応は、理解系・思考系・伝達系脳番地がフル回転して強いファイアリングを起こします。中期反応では、短期反応(入力系ファイアリング)によってもらった情報を最適な方法で料理している段階です。
情報が具材だとしたら、それを炒めたり煮込んだり蒸したり、美味しく調理をするのが中期反応です。この中期反応がさらにネットワークファイアリングを起こすと、記憶系や感情系の長期反応が起こります。
脳の枝ぶりが良くなってくると、理解系、思考系、決断力などが向上しファイアリングを起こしやすくなり、短期→中期→長期の反応がスムーズになってきます。
そこで大切なのは、最初のファイアリングをいかに強くするかが鍵になります。そして、連携を良くするために各脳番地の働きをいかに良くしていくかも大切です。
次からは、各脳番地をファイアリングさせる方法について一緒に学んでいきましょう!
各脳番地の準備体操
視覚系
目で見た映像や画像、読んだ文章を脳に集積させるのが役割になります。意識していてもいなくても、何かを見ればファイアリングする様です。
しかし、強弱はあるのでいかに強いファイアリングを起こすかが大切になります。
静止画に関してはファイアリングしにくいようで、逆に動画や動くもの、カラフルなもの、光の点滅などの刺激に強くファイアリングします。
しかし、強いフラッシュの点滅など刺激が強すぎてしまうと、視覚野の酸素消費や血流が一気に上がり気を失うこともあるので注意が必要です!
視覚系は他の脳番地と比べて、一瞬で仕入れる情報量が圧倒的に多いです。
視覚系のファイアリングを強くするトレーニング法としては、物事をゆっくり、注意深く見ること、眼球をよく動かすこと、流動的に形が変わるものを見ること(雲や波とか)、インテリアについて考える(空間や奥行きを意識する)などが挙げられます。これにより視覚系の注意力が上がってきます。
同じものを見ていてもキャッチできる情報量が人によって異なるのは、見ている人の『注意力』に影響されるのです。
視覚系をオフにする方法は聴覚系と酷似しているため、聴覚系のところで説明します。
聴覚系
耳で聞いた言葉や音を自動的にファイアリングして、情報を脳に集積します。聴覚系は視覚系よりも優位に記憶系にアクセスできるという特徴があります。
なので、大人脳の勉強法にとって、聴覚系のファイアリングをコントロールする事はとても重要になります。
聴覚系は様々な種類の音を聴く事で成長していくため、話し声や街の音、音楽などいろんな種類の音を聴く事がポイントになります。
しかし、いろんな音をただ聞き流しても強いファイアリングを起こりません。耳を澄ませるなど、意識して聴こうとする事で反応が強くなるようです。
音楽では歌声、楽器の音、リズム、ピッチなどが異なる様々なジャンルの音楽を聴くと、『右脳の聴覚系脳番地』のファイアリングが強化されます。 普段の会話、ラジオ、オーディオブックなどを傾聴するなどで『左の聴覚系脳番地』を刺激できるようです。
では、視覚系と聴覚系をオフにする方法にも触れていきましょう。この2つは自動的に反応する期間ですから、単純に目を閉じる、耳を塞ぐ事でオフにする事ができます。
簡単そうですが、瞼を閉じたり手で耳を抑えるなどは運動系が関係するので、視覚系と聴覚系は単体でのオフができないのです。さらに、見る聞くを途中で止めるにはその理由も必要です。そのため理解系も働かなければいけません。
そして何より、1番必要な事は自分でスイッチを変えられる『自力オフ』が出来ないといけません。
20時になったらお風呂に入る!と理解系に理由づけしてもらい、実際20時になったら今までやっていた作業をやめて、お風呂に入る。これが出来るのが自力オフです。
なぜ自力オフが必要なのか?それは脳のファイアリングのスイッチの切り替えが意思に沿って明確であるほどに脳番地の働きが良くなるからです。これは他の脳番地でも言えますが、目的に沿ってオンオフ切り替えられる事が大切になってきます。
思考系
思考系は前頭前野というところにあり、いろいろな脳番地から影響を受けます。注意を向ける、物事の選択、応用する、処理する、価値判断を決める時などに働きます。
思考系は右脳と左脳で働きが異なります。右脳は感情的に勢いで『やるぞ!』と燃えるタイプ!左脳の思考系では、理論的に『やるならしっかり手順を考えて。』など注意を促すような関係です。
実行力が弱い人は左脳の思考系が弱く、感覚で突っ走るところがあるかもしれません。また、右脳の思考系は環境に大きく振り回されるのが特徴です。
先程色々な脳番地からの影響を受けやすいと言いましたが、目で見たり、耳で聞いたり、匂い、触り心地など五感で感じた感覚や、それを経て感情が動いた時なども思考系はそれぞれと連動してファイアリングを起こすので、あちこちに気が散ってしまいます。
加えて、体に感じる痛みが思考系の大半をファイアリングさせてしまいます。
ここまでは思考系の特徴や注意点を書いてきましたが、ここからは思考系に上手に働いてもらえるにはどうすれば良いか?を示せたらと思います。
まずは周りの影響を受けやすくて集中力が削がれてしまうので、入力系のトリガーとなる音、匂い、目に入ってくるものを極力減らすようにしましょう。
そして、思考系をファイアリングさせて強化したい場合のキーワードは『対比』と『時間軸』です。
対比するものがあると思考系はファイアリングを起こしやすいという特徴があります。例えば、今の状況を点数化する、考えてることを書き出して見える化する。それをどう改善するか書いていき対比を明確にするなどを行うことで思考系が働きやすくなります。
次に『時間軸』ですが、“時間を見える化“することがポイントになります。思考系のファイアリングには、好奇心や未来への希望が欠かせないです。
未来へのスケジュールを立てることで思考系はファイアリングしやすくなります。思考系は『これをやるぞ!』と決めた事に対しては、各脳番地を上手に働いてもらうために動きます。
逆に曖昧な状態では指揮を取れずに空回りしてしまい力を発揮出来ません。長期的な目標も必要ですが、曖昧になりやすいのも長期的な目標の特徴です。
なので、まずは1日単位、1週間単位でスケジュールを立てていき、他の脳番地を働きやすくしてあげましょう。
また、思考系をオフにする方法ですが、ここは選択を担う脳番地のため、小さな変化をキャッチしたり、頭の中で何かを思うだけでも働いてしまいます。なのでしっかりオフにしてあげるには睡眠をちゃんと取る以外方法がありません。しっかり寝る事も脳にとって大切なのです。
理解系
理解系は入ってきた情報を理解したり、わからない事を推測して理解しようとする時に働きます。
入ってきた情報に対して反応するため、理解系が単独で働く事はほぼありません。また、注意しなければならないのは、見聞きした事を考えずに鵜呑みにして”わかったつもり”になったり、資料のコピペしてるだけでは理解系は働いてくれません。
なので理解系の脳番地が1番コントロールしにくいのですが、大人脳の能力アップには、理解系をコントロールする事がとても重要になります。
理解系を働かせるためには、自分が興味を持って考えたりすると良く働きます。『これについて学ぶぞ!!』と”基準”を明確に持つことで強いファイアリングが起こせます。
例えば勉強するにしても漫然と問題を解くよりも、『今日は〇〇に注目して進めよう!』とか『この後に先生になって誰かに伝えるつもりで読もう!』など基準を設定する事が肝心です。
この厄介な理解系を鍛えるためには、『茶々を入れる』事が良いとのことです。
例えばニュースサイトを見てニュースについてつっこんでみたり、意見を言ったり。
テレビのコメンテーターの発言に『そういう見方もありますが、私はこう思います。』と言ってみたり。茶々を入れるという事は、答えは1つではなく、他の選択肢を想像をしていく事が大切です。
これは想像力を広げる事に繋がります。
さらに、写真を撮る、図を描く、絵を描くなどの行動も想像力を使いますので、いいトレーニングになります。
特に右脳の理解系の強化になるのでおすすめです!右脳の理解系は注意力の中枢と言われているので、ここがちゃんと働いてくれれば日常生活や仕事のレベルアップも図れるでしょう。
また、注意力と想像力を高める方法としては、マルチタスク(同時に複数の事を行う事)がオススメです。日常生活でもよく使うのは、人の話を聞きながらメモしたり、2品や3品の料理を同時に作るなどです。
理解系の自力オフの方法は記憶系と同じになるので後ほど紹介します。
記憶系
記憶系は物を覚えたり、思い出したりする時に働きます。記憶を司る脳は海馬という場所です。海馬は集中する事で左右ともに強いファイアリングが起こります。
しかし、海馬は疲れやすく、長い時間集中して使い続けると、すぐにオーバーワークになります。
働きすぎると燃え尽き症候群になってしまい、ファイアリングしにくくなる上に、しばらく休業体制に入ってしまうのです。そして海馬が働かなくなると、一気に注意力が散漫になります。
これが行きすぎてしまうことで、ゲーム依存、スマホ依存などになってしまいます。本来するはずの勉強が手につかないという状況に陥るため、あまり好ましい状態じゃありません。
なので、生活の中で優先順位を明確にすることも、記憶系のファイアリングには重要です。
海馬は刺激的なことやインパクトが強い事には強いファイアリングを起こします。しかし、歳を重ねていくと多くの物事を見聞きし体験を重ねるため、慣れが生じて全部同じように見えてきます。
昔はアイドルが可愛い、カッコいいとドキドキして、メンバーの名前は全員言えた時期もあったかと思います。
しかし、歳を重ねると可愛い、かっこいいと思っても、どの人も似たような顔に見えたりして区別がつかない・・・なんて事はよくある話です。まさに慣れが生じている一例でしょう。
海馬がファイアリングするには理解系がしっかり働く必要があります。『この刺激は昔の同じような刺激でも、ここが違っていて面白いよね』と違いを説明する事が重要です。
また、記憶系は各脳番地でも1番低酸素に弱い性質があります。ぼーっとしてしまう時は海馬が低酸素状態に陥ってしまっている可能性が高いです。
そんな時は一旦自分がやってる事から離れて、海馬を休憩させてあげましょう。ちなみに左脳の海馬は言語系、右の海馬は映像系の役割を担っています。参考書で勉強する時は左脳が、YouTubeなどの画像や動画で勉強する時は右脳が主に働くので、交互に勉強してどちらかの記憶系を休憩させながら勉強するなども工夫出来そうですね。
海馬は疲れやすいので、パフォーマンスが下がらないようにしてあげる事が重要と言えるでしょう!
また、記憶系は絶えずバックグラウンドで働いています。例えばルーティンで行っている行動なども記憶系が働いているから、何も考えていなくても行動できています。
誰よりも働いている記憶系ですが、誰よりも怠け者という特性もあります。働きすぎるとファイアリングの能力も低下してしまいます。
なんでも頭で覚えてしまおうとすると、ワーキングメモリの容量がすぐに溢れてしまい、記憶系にとっては負担が大きくなってしまいます。覚えてなくても大丈夫そうな話などは、素直に紙などに書いてアウトプットするなどして記憶系の負担を軽くしてあげましょう。
記憶系は思考系と連動して働くので、考える内容を変える事で自力オフが出来ます。
記憶系のオフはガス抜きに近いイメージです。直前までやっていた事と全く違う事をして、記憶系を休ませてあげましょう。
デスクワークが多い人は、仕事の合間に少し階段を上り下りしてみたり、息抜きにコンビニなどに買い物に行ったりすると、記憶系の休憩にもなりますし気分もリフレッシュできていいのではないでしょうか⁉︎
ちなみに、理解系も取り組む課題を変える事で自力オフが可能となります。
運動系
運動系の脳番地の1番の特徴は、他の脳番地をファイアリングさせるトリガーになる事です。
という事はつまり、運動を疎かにすると脳全体のファイアリング能力が低下し、頭は良くならないという事です。文武両道みたいな事ですね!
運動系脳番地のファイアリングは、海馬も含めた長期記憶とも繋がりやすいため、記憶力を向上させるためにも運動は欠かせないのです。
理想としては、デスクワークの人は1日に最低1時間程は歩いて欲しいと書かれていますが、仕事が終わった後にこれをクリアできる人はそう多くはないでしょう。
なので、まずは今の生活でプラス10分から、いつもより多く歩くという事から始めてみましょう。また、歩く以外でもストレッチや筋力トレーニング、呼吸を意識する、音読などでもファイアリングする事がわかっています。
普段使っていない運動系を活性化させるために、利き手と逆の手で掃除や歯磨きをしてみたり、文字を書いたりすることも有効的な手段だそうです。
また、運動以外でも運動系をファイアリングさせる方法があります。それは『行動計画を立てる』事です。
実は、運動系脳番地で大きな割合を占めるのが『運動企画』という分野なのです。この運動企画は、スケジュールを組んだり、行動計画を立てたりする時に働きます。
目標を目標のままで終わらせる人は思考系を働かせて終わっている人がほとんど。運動企画を使って、目標をいかにして達成するか具体的な道筋を考えて行動する人こそが賢くなれるし、試験合格までの最短ルートを歩める人です。
行動力がないと感じる人や、実行する能力がないと考える人は、まず1日のスケジュールから行動計画を立てるようにして!トリガーである運動系をファイアリングしやすい状態にしてみましょう!
運動系をオフにする方法として、例えば運動系を動かそうとランニングをしていたとしましょう。これは主に足の運動系です。
ではどうしたらオフにできるのか?それは別の運動系を動かせばいいのです。ランニングをしているなら、終わった後に腕を使う運動をしてみたり、ノートに字を書くなども手や指の運動系となるのでいいかと思います。
感情系
喜怒哀楽を感じて表現する感情系のファイアリングはとてもシンプルです。
心地よいと感じる皮膚感覚や、第一印象で受け取った好きという感情などでファイアリングします。感情系は右脳と左脳で働きが異なるので、その違いも意識しましょう。
右脳の感情系は、人から言われた事に対して受動的にファイアリングします。
一方左脳の感情系は自己認識のファイアリングです。この自己感情に基づく脳番地は発達が1番遅くて、かつファイアリングしにくいという特徴になっています。
例えば社会的なモラルなど他者が決めた幸せという枠に自分を照らしてみて、『大企業に就職できて、給料もそれなりにもらえてる自分は幸せ』とか、『新築の大きなマンションを購入できた。同期と比べていいところに住めている自分は幸せだ』などと感じるのは、右脳の感情系によってもたらされた他者感情によるものです。
しかし、多くの人はこれを自分の感情だと勘違いして受け取っている人も多いのではないでしょうか?
自分の言葉で気持ちを伝える事が苦手という人や、感想を求められても上手く答えられないという人などは、左脳の感情系が弱い傾向にあるのかもしれません。
言語化を上手くできない人ほど、感情系を上手にファイアリング出来ていない可能性がありますし、つい他人に同調しやすくなってしまいます。
今までの話から、左脳の感情系を強くしてあげる事でファイアリングしやすい状態に持って行けそうですね。
左脳の感情系を強化するためには、『日記』を書くことがオススメだといいます。自分の思っている事を文字化して可視化する事でファイアリングしやすくなります。
自分はどう感じているのか?社会的に聞こえが良い言葉を使う必要はありません。自分の心の声を聞いて、感じている事をそのまま文字にしてみましょう。
さらに、なぜ自分がそう感じたのかを考えてみるのもさらに良いでしょう。前頭葉の底部にある感情系は、社会性、モラル、倫理観、罪悪感に敏感です。道徳的な意識、規律的意識、社会的な相互関係などによってファイアリングします。
右脳の感情系が人に迷惑をかけないという社会性を持って、左脳の感情系がその中で自分はどうしたいのかを考えて、前頭葉の感情系が全体を見渡してバランスをとると言ったイメージです。
感情系脳番地は、体の痛み、こり、ストレス、眠気などによってもファイアリングしてしまいます。しかしこれは好ましくない、ネガティブなファイアリングです。
このネガティブなファイアリングは脳の伝導率を下げてネットワークファイアリングを起こしにくくしているしまいます。
なので、脳を良い状態で使うためには、不快な感情にならない環境を作る事、ネガティブな要素を取り除く事もとても大切になります。
感情系を本来のポジティブな形でファイアリングさせるためには、美しい景色や音楽、感動する映画、自分が大好きなもの(推し活などもGOOD)に触れる事なども有効です!また、好きな趣味に没頭したり、空を見て自分の素直な感情に耳を傾けてみるなども効果があるかと思います。
伝達系
伝達系脳番地は文字や言葉で誰かに何かを伝えるなどの『アウトプット』でファイアリングします。
人と直接話をする時もファイアリングが強くなりますが、実際に人と会ったり伝えなくても、『今度会った時にこの話をしよう』とか『次のプレゼンはこうやって話そう』と考えるだけでもファイアリングします。
より具体的に話すテンポとかプレゼン資料にこんな図や写真を入れようと工夫する事でもファイアリングが起こるといいます。
そのほかにも様々な場面で伝達系はファイアリングしますが、その強弱の差はあります。
メールや日記(相手はいないし声は出さない)<独り言を言う(相手はいないが声を出す)<対話する(相手がいて声に出して伝える)、と言う順番でファイアリングは強くなります。
伝達系がファイアリングすると、視覚系、聴覚系、運動系、理解系、記憶系も連動して動くので、伝達系の強化はネットワークファイアリングの強化にも繋がります。
❷大人のすごい勉強法
ど忘れ=検索力の低下(記憶力が低下したわけじゃない)
ちゃんと勉強したのに思い出せなかったり、ど忘れしてショック、なんてことは誰しもが経験があるかと思います。
大人になればなるほど記憶力が低下した感覚になりますが、実は記憶そのものが消える事は考えづらいです。落ちているのは記憶力ではなくて検索力!記憶の保管庫から記憶した事を引っ張り出す力が弱くなっている状態なのです。
それは長く生きていると経験値が増えていき、記憶の保管庫にもたくさんの記憶が放り込まれていきます。増えていった中から、1つの記憶を引っ張り出そうとすると、探すのも一苦労になるわけですね。
もちろん覚えているのは本や勉強の中身だけではなく、仕事での内容やプライベートな事、人との約束など様々です。
せっかく勉強したのですから、同時に思い出せるように検索力を上げることも重要になります。
その検索力を上げる方法が『復習』です。復習といっても、同じ内容を同じ時間をかけて学び直すということではなく、軽く目を通して『あー、そういえばそうだったな、これやったわ。思い出したわ。』と再び記憶に鮮明さを与える程度でOKなのです。
そうすることで、記憶の保管庫の奥から知識や情報を手前の取り出しやすいところに移動させる事ができて思い出しやすくなります。
長期記憶・短期記憶・ワーキングメモリの違いを整理しよう
記憶には長期記憶、短期記憶、ワーキングメモリの3つがありますが、ワーキングメモリから話をしましょう。
ワーキングメモリは言葉は聞いた事があるという人は多いと思います。しかしそれってなんですかと聞かれるとうまく答えられない人も多いかと思います。ワーキングメモリは簡単に言うと『一時的な作業空間』となります。その場で覚えていても、10分後くらいには記憶に残ってないという事、経験ありませんか?これがワーキングメモリの特徴です。
ワーキングメモリで集約された情報は、一度短期記憶へと送られます。そして、記憶の番人である海馬へ情報が送られて、重要だと判断されれば長期記憶へと送られます。
先程復習が大切だと話をしましたが、長期記憶から引っ張り出して情報を整理する『復習』作業はワーキングメモリで行われます。
そして改めて整理した内容や、そこに新しい情報を付け足したりすると1回目より理解度が増した状態です。その情報をまた短期記憶に送り、海馬にチェックされて長期記憶へと送られるという作業になります。
1度長期記憶に送られた馴染みの情報なので、2回目の保管は海馬のチェックも緩くなり簡単に長期記憶へと送られるメリットもあります。
小刻み学習が大人脳の効率的な勉強法
勉強する時は『1テーマ1本勝負』が基本戦略となります。これはワーキングメモリを最大限に効率よく働かせ、かつ長期記憶の倉庫に送るフォルダを明確にする効果があります。
先ほども書きましたが、ワーキングメモリは記憶を作るための作業台なので、例えば英語の時制について学んでいたら、その作業台には時制に対する記憶が溜まっていきます。そして長期記憶に保管される際もフォルダ名に『英語・時制』と整理がしやすいのです。
その作業台には別の内容が入り込んできたら、時制のフォルダ内に色々な記憶が入っていき、引っ張り出す際に検索に引っ掛からなくなるのは想像できるかと思います。
1度に複数の事をすると、情報の干渉が起こり、思い出しにくくなってしまうのです。なので勉強する際は1テーマ1本勝負が基本となります。
短時間学習でファイアリングのピークをたくさん作る
大人になったら大人脳に合わせた勉強方法を身につける必要があります。学生時代からの勉強方法をやっていても効率的ではありません。
勉強は長くするのがいい!机にかじりついて勉強する!というのが正解というわけではありません。目的を達成するために2時間、3時間と勉強する必要は全くないのです。
そもそも長時間勉強というのは、脳の準備運動がしっかりできていて、基礎体力が身についている人でないと、脳がファイアリングしてくれず効果が薄いのです。
時間を短く区切った『小刻み学習』の方が脳にとって効率が良く、同じ3時間を勉強に費やすにしても得られるリターンが格段にアップするとのことです。
大人脳が効率よく勉強するために必要な目安は『20分』。それ以上は使う脳番地に偏りが出てきて脳の働きが鈍くなってしまいます。
なので20分で一旦区切りを設けて、脳をリフレッシュさせてからまた20分取り組む。その繰り返しがベストです。
また、20分ごとにインプットが起こる小刻み学習は、ファイアリングの観点からも理にかなっています。例えば120分の間に6つのテーマを学習するとします。ぶっ続けで6テーマ勉強すると脳全体の働きは低下してしまい、インプット時のインパクトが弱くなってしまいます。なので6つのテーマを全て同じように記憶に残すことは難しいでしょう。
一方で小刻み学習では『1テーマ最大20分』で切り上げ、休憩を挟みます。休憩は5〜10ふんほどの短い休憩を挟んで脳シフトを行いリフレッシュさせてあげましょう。テーマごとに脳を休ませられるので、長期記憶に保管するためのフォルダも作りやすいのもメリットです。短い時間で『わかった!理解できた!』という感覚が得られると、理解系のピークを作りやすく、勉強への理解度が格段に高まります。
なので週末に120分まとめて勉強するよりも、10分から20分程度の勉強を毎日続けた方が記憶に残りやすいのです。
また、小刻み学習ができないと長時間勉強を脳が受け付けてくれません。なので、時間は小刻み学習が慣れてきたら少しづつあげていく事をお勧めします。
脳は休憩の長さより回数が多い方が好き
脳番地を効率的に働かせるためには、5分弱の休憩を入れる『クイック休憩』かGOOD!
先程も休憩を入れた方が脳の効率的に良いという話をしました。これは脳がもともと怠け者の性質があるからです。
8つの脳番地は全体的に怠けたいのです。長時間休憩させてしまうと、いざ働いてもらう時に時間がかかってしまいます。そこで本書では『5分程度のクイック休憩』がそれぞれの脳番地を効率的に働かせられると書かれています。
20分程度働いた脳にクイック休憩を5分程度与えると、脳は疲弊する前にコンディションを立て直せて、再び良い状態から勉強を再開できるのです。
この手法が他の本でも紹介されていましたが『ポモドーロ勉強法』と呼ばれています。あれも確か25分勉強+5分休憩✖️数セットという流れだったかと思います。
やはり、勉強する際は短くやって休憩を取る事が大切みたいですね。
複数のテーマを並行しての勉強はダメ!
例えば図書館に勉強しようと言った時に、複数のテキストを持っていくということがあります。
しかし、もうここからがNGだも著者は言います。先程1テーマ最大20分という事を言いましたが、それが大人脳をうまく使うためのコツなのです。
脳は何かを決める時に一番エネルギーを使うので、着いた後に何から始めようかな・・・と考えている事でエネルギーを大量消費しているのです。本来勉強の内容にエネルギーを使いたい所を、なんの勉強をするかということにエネルギーを使っていては本末転倒です。
なので、着いたらすぐに始められるように1つのテキストだけを持っていくようにしましょう!
勉強+運動の『余韻学習』がもっとすごい脳を育てる
ファイアリングは短期反応・中気反応・長期反応と伝導していきます。その中でも『長期反応』の余韻をうまく利用する事で、簡単にすごい脳へと育てていけます。
長期反応を起こすコツは簡単!例えば、30分の勉強時間のうち、20分は勉強時間、残り10分はウォーキングなどの時間にします。ただこれだけです。
この余韻学習とは、勉強した事の振り返りを少ししましょう!という単純なものです。学んだ事を脳内で繰り返す頻度が高ければ高いほどに長期記憶になりやすいという理由です。
なので、勉強とは違う形でさらにインプットする形で記憶が強化されるのです。
ウォーキングには運動系脳番地を刺激して脳全体の活性化を目的にしています。しかし、ウォーキンができない環境にある人もいるかと思いますが、必ずしも歩かなきゃいけないなんてことはありません。
椅子から立って背伸びをしたり、ストレッチをしてみたりとその程度でいいのです。その間に学習した内容を頭の中で思い出しているだけで、長期記憶に保存されやすくなるのです。
初めてのこと、苦手分野はスーパースロースタディで!
誰でも苦手な分野やコンテンツの1つや2つはあるものです。そもそも初めての事を理解したり、苦手分野を勉強する事が脳自体得意ではないのです。
しかし受験や資格の勉強では避けて通れない道でもあります。そんな時にどんなはどんな勉強がいいのでしょうか?
本書での答えは『スーパースロースタディ』です。読んで字の如く、超絶ゆっくり学んだ方が良い!という結論です。
本書での例がわかりやすかったので紹介します。
あなたは野球未経験。野球をしてた友達と一緒に野球観戦に来ました。ピッチャーが投げたボールに対して、自分は球種やストライクなのかボールなのかがわからなかった。しかし、友達はストライク判定も分かった上で球速や球種までわかると言います。
ここまで見て、同じものを見ていても、そこから得られる情報の量と質が大きく異なっている事がわかります。
勉強も一緒で、初めてのことや苦手分野で早く覚えようとスピードを追い求めると、大切な情報や細かい情報などを見落としてしまいます。勉強でもなんでも、まずはゆっくり取り組んで、その情報に慣れて見極める目を育てる期間が必要になります。
そうすることで、重要だと感じる情報量が視覚や聴覚からたくさん入ってきて情報収集能力が高まります。
スーパースロースタディはスタートがゆっくりですが、徐々に得られるものが増えてきて最終的にはタイムパフォーマンスも高くなる勉強法と言えます。
たくさんの問題を解くよりも、10問の問題を10回ずつ解こう。
スーパースロースタディでもわかるように、ただたくさんやれば良いというものではありません。
大人の脳は理解してこそ!記憶にも定着するのです。理解が曖昧なままで次の問題にいったとて、なぜその問題が解けたのか?解けなかったのか?理解が出来ていないと同じような問題も次にやったらまた悩んでしまいます。理解するまで同じ問題を繰り返して解く方が大人脳には有効なのです。
朝にする勉強が最高に脳にいい!
社会人にとって勉強に取り組むときの課題の1つに『勉強時間の確保』があるのではないでしょうか?仕事の後にやろうと思っていても、仕事の後は心身ともに疲弊していて思ったように捗らない事も多いのではないでしょうか?
そこで著者がおすすめする勉強が『朝の10分学習』です。朝の脳は集中力、注意力、実行力が高まっていて吸収力が抜群に良く、ファイアリングしやすい状態です。
朝に情報や知識を与える事で、強いファイアリングが起きて、中期記憶→長期記憶の反応が高まり日中や夕方以降も学習力が高まります。
『勉強は朝するのが吉』と昔から言われていますが、脳科学的にもその通りの結果なのです!皆さんも学ぶなら朝に!
脳の基礎体力を上げる習慣
何より大切⁉︎睡眠の確保!
勉強の頑張りをしっかりとモノにするために、全員に共通する事があります。
それは『睡眠を見直して脳が活性化しやすいベースを整える』という事です。
今までの話から、朝の勉強や小刻み学習で脳を使い、昼間は仕事や学校で脳が使われます!なので、夜はしっかり眠って脳を休ませてあげる事が大切です。
筋トレもトレーニングだけでなく休息を取る事も筋肉の成長を効率的に促すためには大切な過程です。そしてそれは脳も同じ事が言えます。
寝ている間に日中インプットした事が整理されたり、脳が休まる事でエネルギーを蓄える事が、日中の勉強や仕事で脳を使うために必要となってきます。
ちゃんと睡眠を取れていないと、せっかく学習してもインプットした事が定着されにくく、勉強に投資した分のリターンが得られないという事になります。
なので、夜型だからといって仕事や学校の後に頑張って勉強しても集中力や理解力が上がらず思うような成果は得られづらいのです。
何かを学ぶ時に必要な事、それは規則正しい生活と早寝早起き朝勉強。肝に銘じておきましょう!
特に思考系脳番地は睡眠の質に左右されやすいようです。
思考系が休めるのがディープスリーピングと言われる、入眠してから4〜5時間までの間に起こりやすいノンレム睡眠の時です。
また、このときの注意点としては、日中に体を動かさなければ、良質な睡眠が取れないという事です。
運動系脳番地が働く事で脳全体が活性化するので、脳が満遍なく働き、睡眠でしっかり休息をとり回復させる事が大切です。18〜65歳は今の研究では8時間ほど眠るのが良いとされています。
また、体を動かそうとしてジムに通っているという人もいるかと思います。それ自体は素晴らしい事です。が、健康を手に入れようとするためには、週一回の運動よりも、日々の座っている時間を減らした方がいい事がある研究からわかっています。
日本人を対象とした研究で、日中の座位時間が2時間増えるごとに、死亡リスクが15%増える事が確認されています。
運動系は脳全体を活性化させるトリガーなので、日頃から歩いたり階段を使ったりと体を使う習慣をつけたり、座る時間をいかに少なくするかも少し考えてみてもいいかもしれません。
まとめ
皆さんいかがだったでしょうか?今回紹介したのは加藤俊徳さんが書かれた『一生頭が良くなり続ける もっとすごい脳の使い方』という本でした。
勉強をしたいけど、いざやり始めると集中力が続かない、勉強しようと思っても他の事をしてしまう、やった事を覚えてないなど、せっかく頑張ろうと思っているのに続かないなんて事は多いのではないでしょうか?
私もその1人です。そんな私でも実行できそうな事がたくさん書かれており、挑戦したくなりました。
頑張って暗記する!と何時間も頑張るよりも、ポイントを押さえて少しづつ、脳を活性化させながら学んだ方がいい事がわかり、とっつきやすい内容だなと感じました。
非常に再現性が高く、脳を働かせるためのノウハウがたくさん詰まった一冊でしたね。まだまだ紹介できなかった内容もあったので、気になる方は是非本書を手に取ってみて下さい。
長くなりましたが、今回はこれで終わりにします。また次回の本でお会いしましょう。ありがとうございました!