この本を読んだ理由
昨今は健康ブームもあり、運動や生活習慣に関する書籍を目にする機会が多くなりましたね。また、食への関心も高まり糖質制限や食事制限、栄養に関するの書籍なども多くみられています。かくいう私もそのブームに乗っていろいろな健康法を生活の中に取り入れています。その中でも、野菜を摂る事が健康にはいいということは皆さんもよく耳にされる事だと思います。しかし、現代の野菜は昔の野菜と比べると栄養価が低くなっていると言われていることをご存じでしょうか?
この本を読んだきっかけは、健康志向になった事でどんな野菜を摂ればいいのかと関ゲル様になり、本屋でふと目に留まったのがこの本でした。『野菜は小さい方を選びなさい』というタイトルに目を引き付けられました。この本ではただ野菜を選ぶという事よりも、野菜を作る中で今の農業方法に疑問を呈している事や本当に安全で美味しい野菜とはどのような野菜なのかを書いてあり、今まで自分が考えていた野菜の概念がひっくり返る程の驚きがありました。健康や食事に興味がある方にはぜひ知ってほしい内容だと感じたので紹介したいと思います。
読了後の学び
- 現代の野菜の栄養素が少ない理由が分かった
- 今の農業は効率性や生産性は上がっているが健康面は不安が多くなっている
- 自然栽培は野菜本来の成長に沿う物で、栄養も抜群に良い
- 本当にいい野菜の選び方のポイントがわかった
目次
- 農薬や肥料を使うデメリット
- オーガニック・有機野菜の表示でも安全とは限らない
- 自然栽培の野菜がいい理由
- いい野菜の見分け方
- まとめ
①農薬や肥料を使うデメリット
この本の著者は、無肥料栽培(自然農法)という農法で野菜を育てていると書かれていますが、無肥料栽培という言葉はあまり聞きなれないですよね。
この農法に明確な定義は無いようですが、大まかには…
- 無農薬
- 無除草
- 無肥料
更に不耕起(畑を耕さない事)の農法を自然農法と呼ぶことが多いようです。
現代の農法は慣行農法といい化学肥料や化学農薬をたくさん使用して野菜を育てる農法といい、まさに正反対の農法を実践していますね。
慣行農法では大きくて綺麗で均一な物を作る事が良しとされています。この農法の良い所は消費者目線だと大きい野菜だとお得感があり綺麗な野菜は虫が食べてないからいい野菜と思われよく売れます。また、均一な大きさのものは箱詰めで入れやすく出荷個数や重量なども偏りが少なくなるなどメリットもあります。
しかし、農薬や肥料を使うデメリットの方が遥かに大きく、畑自体にも良くない影響が出るという事でした。
農薬は体や野菜自体にも悪そうだけど、肥料を使うのは野菜が育つためだからいいのでは?と考える方も多いかと思います。私も実際畑で野菜を作る事がありますが、今まで肥料は野菜を育てるために必要だと考えて畑に撒いて栽培をしていました。しかし、本書を読んで私は今後肥料は使用しないと心に誓った次第です。
ではなぜ農薬や肥料は使わない方がいいのでしょうか?使った際のデメリットは以下の通りです。
- 病気がちな野菜が育ちやすい
- 土の中が空っぽの状態になる
- 虫食いが激しくなる
ん⁉肥料を上げるのに土が空っぽ?病気になりやすい?など読みながら思いました。イメージとは違う事ばかり書かれており、どういう事?となりました。難しい内容もあったので、簡単な流れで説明すると…
- 肥料を土に入れる事で、土の中に生きる生物(土壌動物)が逃げていく
- 土壌動物がいなくなり、土壌微生物も消えていく
- 土の栄養素が作られなくなり土が空っぽになる為、新たに肥料を撒く
- ①~③を繰り返し、人が手を加えないと野菜が育たない土になってしまう
ざっくりな説明だとこのような流れになり、肥料が原因で土の栄養が少なくなっていきます。もう少し詳しく流れを説明すると、肥料(こちらの本では化学肥料と記載)の中には土の中の生物(土壌動物)に猛毒となる成分が存在し、それらが撒かれることで土壌動物が住める環境ではなくなり逃げていくという事です。また、肥料を与えた野菜では虫食いが多くなりやすく、害虫が畑に多く発生するようになります。それから、現在は雑草は野菜の栄養を奪ってしまうと考える方が多く、畑の草を取り綺麗にする事が一般的です。しかし、土壌微生物は草の根や枯れ草などを餌にしています。なので、草を過剰に摂りすぎると土壌微生物の餌が少なくなります。そこに農薬・除草剤などを散布する事で土壌内の微生物も一緒に死滅してしまう為、土の中では土壌生物や土壌微生物がいなくなってしまい、栄養が作られない空っぽの土が出来上がってしまうという事でした。
これを見て、いかに土作りが大切かがわかるかと思います。良かれと思って土に過剰な栄養を与えすぎると逆に状態が悪くなる。これは人間と一緒ですね。おやつやファストフード・加工食品・過剰な量の食事をとるなどで腸内細菌のバランスが悪くなり体に様々な不調が現れます。本当にいい野菜を作るなら、あえて手を加えず見守る事が1番なんだと学びました。
②オーガニック・有機野菜の表示でも安全とは限らない
皆さんが体にいい野菜を選ぶ基準として、オーガニックや有機野菜などの表示や広告がされている物を選ぶという方も多いのではないでしょうか?
しかし、こちらの本ではオーガニックや有機野菜などの表示があっても安全とは言い切れないという事が書かれています。オーガニックや有機野菜と表示されている野菜では、イメージとして無農薬で栽培している・栄養価が高そう…などのイメージをする方が多いと思いますが、著者はそうとも言い切れないと書かれています。
そもそもオーガニックや有機野菜の意味も曖昧なままで選ばれている方もいるかもしれません。簡単に説明するとオーガニック=有機と同じ意味です。農薬や化学肥料に頼らず、自然の恩恵を生かした加工方法の事を指します。
オーガニックと有機が同じ意味だってことは分かったけど、そもそも有機ってなに?と思う方が大半だと思いますので、こちらも簡単に説明しておきます。有機とは『有機化合物』の略語で、炭素を含むものを指すようです。炭素を含むものは色々ありますが、生物でいえば炭水化物・タンパク質・脂肪など体内で作り出されるものは大半が有機物となるようです。
これらを踏まえて、やっぱり有機栽培で作った野菜は安全でしょ?…と決めるにはまだ早いです。
有機栽培でも、無農薬と表記が無い限りは無農薬ではない場合もあり、有機栽培でも使用できる農薬はたくさんある様です。また、化学肥料ではなく有機肥料を使用している場合もあり、有機肥料なら安心だというとそうでもないと書いてあります。
有機肥料には大きく2種類あります。
- 動物性たい肥(家畜排せつ物を発酵させたもの)
- 植物性たい肥(枯葉、糠、油粕、野菜くずなどを発酵させたもの)
どちらも自然界から物なのでいい肥料だと思いますが、本の著者はこれらの肥料も良い物と悪い物があると言っています。たい肥を作る過程で、例えば家畜排せつ物でも放牧して自然の草を食べている動物の排せつ物と、畜舎で穀物飼料や成長ホルモンを与えられたり、病気を防ぐために抗生物質を投与されている動物とでは全く違うたい肥になると言っています。また植物性たい肥も家庭で出るような野菜くずであればいいですが、工場から出たものでは化学薬品を使用している可能があり、こちらも使用しているもので全く違うものになります。
また、どちらのたい肥も発酵させる時間が短いと化学物質などが分解されずに、中途半端な状態で売られてしまう可能性もある為、使用しない方が安全と言われています。
動物性たい肥を例にすると、家畜を育てる過程で遺伝子組み換えの穀物を与える➡強力な抗生物質の投与➡抗生物質に対抗するような強い大腸菌(O-157など)が発生。そのような家畜からの排せつ物を発酵時間が短い事で無毒化されないまま使用すると、大量の毒素が入った肥料を野菜を植える前の土に散布され野菜が吸収してしまいます。さて、皆さんはこのたい肥を使用した畑でとれた野菜を食べたいと思いますか?
もちろんすべての肥料が悪いというわけではありませんが、そのような肥料も多く存在する事は知っていていた方が良いかと思います。
有機栽培でも『農薬』は使える
先ほど有機栽培は農薬に頼らない農法と記載しましたが、実は有機栽培でも使用が認められている農薬が存在します。
- 農薬…37種類以上
- 製品…47種類以上
え?こんなに使っていい農薬があるの?と思いました。意外と多いですよね。
これらは基本的には天然由来の物や微生物資材が多く安全な物もありますが、中には化学農薬とさほど変わらない物もあるとの事です。そもそも殺菌剤や殺虫剤は生物を殺すものですから、散布すればある程度のリスクは生じることはわかります。
有機栽培と書かれたものは農薬などは使われていないと思ってしまいますが、実際は使われている事も多いです。JAS法ではこうした農薬を全く使用しない場合のみ『無農薬』を表記できるみたいですね。
ここで大切なのは、栽培者がどんな人なのかを知る事だと書かれています。消費者の事を考えて安全な野菜を作っている生産者もたくさんいる事も事実です。消費者である私たちが生産者の事を知りどのように野菜を育てているのかを知る事で、安全でいい野菜を選ぶ事が可能になると思います。
自然栽培が野菜にいい理由
上記を読まれた方ならわかるかと思いますが、おいしい野菜になる条件は『良い土で育てる』事です。では良い土とはどのような土の事を言うのでしょうか?
それはミネラルバランスが良い土だと著者は書かれています。これはミネラルの成分が多ければいいという事ではないようです。ミネラルが少ないと成長は悪くなりますが味は美味しくなる様です。なので、適量でバランスが良ければ成長も味も良くなるという事です。
土の中には多くの多量元素や微量元素(これらをミネラルと呼ぶ)があり、この元素を利用して植物は成長します。このミネラルは微生物が土の中の有機物を分解して生み出すので、微生物がたくさんいる事と、その微生物が棲みやすい環境が整っている事が良い土の条件と言えます。
これらの微生物というのは
- 甲虫類の幼虫・ミミズ・センチュウ類などの小型土壌生物
- 糸状菌(カビ・バクテリアなどの細菌類・有機物を分解する放線菌・キノコ等)
などがあげられます。
土壌動物が食べた葉っぱなどを食べて糞をして、その糞を微生物が分解する事でミネラルが作り出されるというサイクルになっていきます。自然の中でミネラルバランスは整っており、人が手を加えない限りはこのミネラルバランスは整った状態です。
しかし、人は野菜の成長を促すために余分な肥料を入れてしまいます。特に窒素・リン酸・カリという3大元素が野菜に良いと信じて大量に与える人が多いみたいです。もちろんこの3元素は植物にとって必要な物ですが、与えすぎるとミネラルバランスが崩れて味が落ちる原因になるとの事です。
雑草が土づくりのパートナーになる
野菜を作る為にはいい土が必要だと書きましたが、何が必要なのか?
著者は、野菜が育つのに必要な事は人が手を加えるのではなく、太陽や空気や水などの自然界の営みによって作られていおり、そして先ほど紹介した土壌生物や微生物、そしてそこに芽生える植物の力が必要だと書かれています。人が出来る事は土の中の生き物を絶やさないように見守り、空気や水や光、植物を供給する事だと言われています。この事を著者は『草作り』と呼んでいる様です。
しかし、私は本を読むまでは雑草などの草は野菜の成長を阻害するものだと思っており、暇を見つけてはせっせと草取りをしていました。今思えば野菜の成長を自分が邪魔していたのかと感じ、無駄に頑張っていたんだなと残念な気持ちになりました。
この草の役割は、根を伸ばすことで土が割られていき空気や水や光が土の中に入り込みます。そこに微生物が住み着いて、先ほどのサイクルが回りだしミネラルが増えていい土になるという事です。また、草の種類によって微生物の種類も変わるようで、畑の中にたくさんの種類の雑草が生えれば、多様な微生物が住み着いてくれるという事になり、栄養がたくさんの畑になる!という事ですね。
なので、草を処理しようと除草剤や農薬をまいてしまうという事は、良い畑にする事と逆行している行為となります。
良い土を作る為には草や虫や微生物を味方につけて、棲みやすい環境を提供してあげる事が人にできる事なんだと学びました。
いい野菜の見分け方
ここまで読んだ方ならわかるかもしれませんが、ここでいう良い野菜とは大きくて綺麗で形が整っているものではありません。
本書では良い野菜とは口に入れても安心できる無肥料栽培で育った野菜の事を言っています。
100%の確率で見極められるという事ではないですが、著者が今まで作ってきて収穫した経験から代表的な野菜で見極めるポイントを簡単に紹介していきます。
その前提として、植物は規則正しく成長する物が多く、左右対称に育つものが多いという傾向にあります。それがずれている事やいびつな部分があると人が手を加えているのでは?となるので、それぞれどのように見分けるのがいいのか一緒に学んでいきましょう。
数が多いため、7つに絞って簡単に解説していきます。
①大根
大根は根菜類で、いつも食べている白い部分は主根という場所になります。この白い部分から側根といって横に伸びる細い根っこが出てきます。スーパーなどでみられる大根はこの側根を綺麗にして売っています。白い部分をよく見るとぽつぽつとくぼんだ場所があるかと思いますが、そこから側根が生えていた部分となります。そして、ここで見分けるポイントになりますが、この側根は縦に真っすぐに並ぶという習性があります。なので、側根のくぼんだ所が綺麗に一列になっている物が良い大根の目印となるみたいです。逆に、肥料をたくさん与えた物では、側根のくぼみが真っすぐではなくいびつな形でついている為あまりいい野菜とは言えません。後ほど紹介する野菜も同じような見分け方の物が存在するので、ここで覚えておいてください。
②人参
人参も大根と同じ根菜類になり、良い人参の見分け方も先ほど大根の場所で説明した側根があったくぼみである程度分かります。大根と比べて違うのは、大根は左右で側根が生えるのに対して、人参は4列側根が出るようです。また、細かい説明は省きますが、本来人参の根はあまり大きくならない傾向がある為、スーパーなどで見かける大きな人参というのは実は不自然で、大きい物は肥料をたくさん使い大きくなっていることが考えられるので、良い人参を選ぶポイントは、側根が綺麗に並んでいるかと、あまり育ちすぎていない小さめの人参が実は良い物であると言えます。
③トマト
トマトはまだ青い部分が多い時期に収穫され、お店に並ぶまでの流通の間に赤くなり、販売されています。
植物というのは種が出来上がってから赤く熟すという習性があり、それまでは熟さないようです。それは種が出来ていないうちから動物に食べてほしくないからだという事です。なぜかというと、種が出来るまで熟したら実を熟させて動物に食べてもらいたいからです。実を食べた動物に種を吐き出したり、糞をする事で種まきをしてもらい命を繋いで貰うためです。
赤く熟すという事は、光合成などで作った糖分を美味しく食べてもらえるように実に集めるという事です。しかし、青い時に茎から離され収穫されてしまったトマトの実には糖分が運ばれることがないため、赤くはなるもののあまり甘味がないトマトになってしまします。
以上を踏まえ、良いトマトを見分ける方法としては、蔕(へた)をみればいいようです。適切な時期に収穫されたものであれば、蔕は上の方にギュッと反り返った形をしているものだと著者は書かれています。
また、種の数も良いトマトか見分ける判断材料になるとの事です。これは購入後に切ってみないとわかりませんが、種の数が極端に少ない場合は、化学薬品が使用されている可能性が高いようです。
理由は、トマトは受粉するときに植物ホルモンを出し、これが合図となり実を生らせ始めるのですが、この植物ホルモンを科学的に合成した薬品があり、実が確実に出来る様に散布する様です。この化学薬品を使用すると種が少なくなる傾向があり、特に季節外れのハウス栽培の物ではそれが顕著に出る傾向と書かれています。
④小松菜(葉野菜)
葉野菜は葉脈の形で見分ける事ができます。葉脈は中心から1本まっすぐ伸びて、そこから左右に均等に伸びていくのが自然な形です。
葉脈は人間でいえば血管の様なもので、葉っぱ自体はシンメトリー(左右対称)に成長し、これは葉っぱの形が異なるものでも同じようになります。しかし、肥料や農薬などを使用すると葉脈が左右対称ではないバラバラな形になってきます。なので、葉野菜を選ぶ際は、葉脈が左右対称であるかどうかを確認すればよいという事になります。
⑤玉ねぎ
玉ねぎと言ったら、丸くて大きな物を創造するかと思いますが、実はこの形は不自然なものだと書かれています。本来無肥料で育てられる玉ねぎは、根を伸ばして芽を必死に伸ばしていこうとします。その為、玉ねぎの形は円形ではなく細長い形になっていくのが自然な形という事になります。円形なのか細長いのか、その形で玉ねぎは見分ける事が出来るようです。
もちろん農家の方が自力でいい土を作り無肥料でも円形状の大きな玉ねぎを作る農家さんもいるので一概には言えませんが、一つの目安となるかと思います。
⑥イモ類
イモ類の見分け方は著者でも難しいという事です。ただ、一つの目安としてはイモの肌に虫が這った跡があるかどうかをみるという事です。前述したとおり土にはたくさんの生物が棲んでいます。なので無肥料でも野菜が作れます。だから、虫の存在を感じさせない綺麗すぎる野菜は逆に不自然という事です。もちろん虫食いがひどくなってしまうと商品としては粗悪品となってしまうので、少し虫がかじったかような跡があるな、くらいの物がいいかもしれません。
⑦キャベツ
キャベツは私たちの食卓や飲食店でも良く出される野菜なので、皆さんご存じかと思います。著者いわく、『キャベツは外側の葉を青虫に食べさせることで成長を促す植物』という事です。なので、外側の葉にまったく虫食いが無いと何らかの農薬を使用している可能性があるのでは…と推察できる訳です。
もう一つは、やはり小さな物を選ぶ方が良いという事です。これはキャベツの習性で、外側の葉を食べさせますが、内側は食べられないように守る為に、硬く巻いていくものだそうです。これは春キャベツでも同じで隙間なく葉を巻いていく為本来は小さくなっていきます。なので、葉の隙間が開いていてふわふわな物は農薬が使われている可能性があるという事です。
本物の野菜は枯れる
よく冷蔵庫の中に買ったけれども使われず奥の方で腐ってしまっている野菜はありませんか?我が家ではたまに見かけるこの光景。皆さんも経験はありませんか?
しかし、著者曰く野菜が腐る事はとても不自然な事だと言っています。
植物は本来種を残して次の世代に命を繋ぐことを一番の目的にしているので、その植物が腐敗してしまうと種を残せなくなります。それは野菜にも言える事で、種を内包した野菜が腐敗するとその中の種も腐敗してしまうからです。
命を繋ぐのであれば、自らが持っている栄養素を水分と一緒に排出して枯れていくはずなのです。腐敗せずに枯れる事が自然界の掟だと本書では言っております。
ではなぜ冷蔵庫などの野菜は枯れずに腐ってしまうのでしょうか?
これには明確な答えは存在しないですが、いくつかの推察は出来ると言われています。
ひとつは野菜が持っている水分量が考えられます。それは水や湿気が真菌を増殖させるからです。その原因が化学肥料にあると著者は言われています。
また、微生物のバランスが狂う事も原因の一因ではないかと考えられるみたいですが、こちらは科学的な根拠があるわけではない為、何とも言えません。
とにもかくにも、良い野菜を見分けるために、もったいないですが使用せずに野菜を放置してみて、枯れるか腐敗するかを確認するのも良いかと思います。枯れた野菜を作っている農家さんの野菜を今後買うようにすれば、良い野菜を食べられるようになるので全体的なコスパは良いかと思います。
まとめ
こちらの本を読んでみて、良い野菜を作る為にはどのような事が必要なのか、また良い野菜の見分け方はどのようなものがあるのかがわかりました。以下に内容をまとめます。
- 農薬の使用で虫や土壌内微生物が死んでしまう
- 肥料は土壌生物には毒になりにげてしまい、空っぽに土になる
- 有機野菜でも安全とは限らない
- 良い野菜の条件はいい土作りが必須
- 良い土には雑草や土壌内の生き物・微生物や太陽・水など自然の物が必須
- 野菜を選ぶときは、なるべく小さい物を選んだ方がいい
最初この本のタイトルを見たときには『逆じゃない?大きい野菜の方が栄養をたくさん吸収しているからいいんじゃないの?』と思っていましたが、こちらの本に出合って読ませて頂いた後は、良い野菜の理屈がわかり小さい方を選ぶ理由も腑に落ちました。
今回は簡単に内容を紹介しましたが、本書を読めば更に詳しい内容で野菜の選び方や、実際に家庭でも無肥料栽培が行えるように土作りから野菜の植え方などの手順も書かれておりすごく勉強になる一冊です。私も実際に庭の片隅に小さな畑があり野菜を作っていましたが、以前は土に肥料を撒いて虫よけの薬を使っていました。この本を読んでから土からちゃんと作ろうと考え、今は落ち葉や枯れ草を畑に撒いて腐葉土を作って自然に任せる形で野菜を作ってみようと思っています。
野菜の選び方や家庭菜園などで悩まれている方には、是非こちらの本を読んでみて頂きたいです。新しい発見と学びがあると思います。