本日紹介する書籍は、いしかわゆきさんが書かれた『ポンコツなわたしで、生きていく。~ゆるふわ思考で、ほどよく働きほどよく暮らす~』です。
この本は一言でいうと、【自分はこのままでも大丈夫。なんとかなる!】と思わせてくれる本です。
この本を読もうと思ったのは、自分の自己肯定感の低いからです。私は自分の事を昔から好きになれないし、周りと比べて何か劣っていると感じダメな人間だとネガティブな思考になりやすい性格です。周りと比べるのはいけないとわかっていつつも、自分と相手を比べて劣等感を感じてしまう日々です。
そんな中、私は本が好きなので本屋をぐるっと見ていると、【ポンコツなわたしで、生きていく】のタイトルがたくさんの本の中から浮き上がるように見えてグッと目を引きました。
手に取って目次だけ目を通したのですが、気になる言葉や共感できそうな言葉がたくさん並んでおり、普段衝動買いをしない私が即購入をしてしまいました。
本書を読んで学びになったところは
- 会社だけが仕事場ではないこと
- 今の自分を受け入れる事で、ネガティブな部分も強みにできること
- 悩みは自分の固定観念を変えると、違う視点から物事をとらえることができて心に余裕ができること
- 自分がしんどいなと思ったことを、無理に続ける必要はない
などの部分です。自分の感情について考えるきっかけになりました。
この本をおススメしたい人は
- 生活に活力がなく、ぼんやりとした不安がある人
- やりたい事が見つからない人
- 現在夢や目標が見つからない人
- 自分と周りを比べて生きづらいと感じている人
などの人です。自分はこのままでもいいのかもしれないと感じさせてくれるので、興味が出た方は是非本書を手に取ってほしいですとおもいます。
目次
- ポンコツの定義
- ポンコツがポンコツのまま生きるために
- ポンコツのお仕事ハック
- めんどくさくない人間関係を築く魔法
- まとめ
①ポンコツの定義
ポンコツとはなんだろう?
冒頭から【ポンコツ】というワードが多く出ていますが、ポンコツとはどんな状態の事を言うのでしょうか?本書の中でポンコツとはどんな状態か書かれていたので紹介します。
ポンコツとは普通の人が出来てることが自分にはできない・・・と思ったらポンコツの始まり。さらに誰かに迷惑をかけてしまったり、生活に支障が起きるのであれば自称ポンコツといっていい。
と書かれています。この内容に自分を当てはめたときに、私は立派なポンコツだなと感じました。皆さんはいかがですか?もし自分も当てはまると感じた方がいるかもしれませんが、心配はいりません。本書の中で著者は自分の失敗やその時の心境などを包み隠さず書いていてくれているので、ポンコツなのは自分だけではないという事を感じさせてくれたり、そんな著者が非常に楽しく生活が出来ている事もわかり、なんか勇気がもらえます。
著者の紹介
この奇抜なタイトルの内容を書かれてる著者について、どんな人が書いているのだろうと気になったのでわかる範囲で紹介します。
- 名前⇒いしかわゆき
- 早稲田大学文化構想部文芸ジャーナリズム論系卒。Webメディア・新R25編集部を経て独立し現在はライターとして活動。取材やコラムを中心に執筆する傍ら、声優やグラフィックレコーダーとしても活動されている。
- 本書の他にも【書く習慣~自分と人生が変わる1番大切な文章力~】がある。
- 本書内でも記載ありますが、注意欠陥・多動性障害(ADHD)である。
本書の紹介
- 2022年9月初版発行
- 全体で231ページ
- 1つのお題はそこまで長くないので読みやすい印象
- イラストが多いので、文字がたくさんある本は苦手な方も読みやすい
②ポンコツがポンコツのまま生きるために
自分の事に自信が持てなかったり、周りのが出来ることが自分には難しく感じるという人も多いかと思います。そんな方にも今の自分のままで自己肯定感を下げずに生きていける手段が、本書には著者の考えや実際に行った行動などが書かれていて参考になります。今回はその方法をいくつか紹介したいと思います。
自分がポンコツだと感じて生きづらいと思っている方がいれば、是非やってみてほしいです。
環境を変える
よく『自分を変えたいなら、付き合う人、時間、場所の環境を変えろ』という事を耳にすると思います。これは、自分の影響の外にあるものは変えられないから、自分を変えるために人と時間と場所を変えましょう、ということだと思います。
しかし、著者はこれを『自分が変わらない為に、人、時間、場所を変える』という戦法をとっていると言います。
変わらない為に変えるって矛盾してるのでは?と感じる方もいるかと思うので説明します。
前者は自分に変化を与えるために、付き合う人や場所や時間を変えるという話です。例えば給与所得を今よりも上げたいという目的がある場合、今の職場では昇進もあまり見込めず給与upもあまりない。残業代も出ないという様な環境、など目的に合わないところにいるとします。給与を上げるために転職や副業を考え、自己研鑽するための時間を確保したり、飲みに行く仲間との時間よりも、転職や副業などのしている人との交流を持ち、実際に働く場所を変える・・・というのが前者の考えかなと思います。
後者は著者が考える『変わらない為に人、時間、場所を変える』というのはどういった事でしょうか?そもそもポンコツとは他の人と比べて出来ないことが多いので、普通の人よりも頑張らないといけないと考えてしまう人が多いのではないでしょうか?私もその考えがあり、他の人より時間をかけて頑張る事でようやく同じ土俵で仕事が出来る・・・と考えてしまいます。
しかし、これは自分の時間を犠牲にしてやりたい事が出来ないことや、疲労もたまりやすい事でストレスを抱える結果となりやすいです。
作者は朝が非常に弱く、朝起きる事にストレスがたまりやすい状態だったようです。普通の会社は朝早くから出勤して、夕方までがっつり仕事をして帰るというサイクルになるので、作者には向いていなかったと書いていました。
この例で考えれば、朝が弱いという事を治そうとするのではなく、朝が遅くても誰にも迷惑が掛からない仕事を選べばいい。という事になります。実際著者は3年のうちに3回仕事を変わったのち、会社に勤めるのは自分には合わないと感じたこともあり、フリーランスで自宅で働くという選択をしました。
この転職で、遅刻をする心配がない事や、自分の好きなタイミングで仕事に取り組めることなど、自分は全く変わっていないのに自分の周りの環境を変えたことで、ストレスのない働き方ができるようになったと言われています。
『置かれた場所で咲かなくてもいい』のではないか?自分が避ける場所は他の環境に行けばああるはずなので、自分の目的に合った場所を探すことが大切だなと教わった気がします。もし自分と周りの環境があっていない人は、自分を変えない為に環境を変えてみる事も考えてみてはいかがでしょうか?
人を頼ってもいい
ポンコツは人よりも出来ないことが多いです。なので苦手な事を努力で埋めようとする人もいるかと思いますが、人に頼った方がいい時もあります。
長い生活の中で、自分のことがポンコツだとわかったうえで、それでも仲良くしてくれる人が何人かいます。そういう人は自分が足りなところをさり気な~くフォローしてくれたりもします。
著者はそのお友達に『なんでそこまで面倒見てくれるの?』と聞いたことがありました。すると『面倒を見るのが好きだから』と言われたらそうです。
人の趣向はそれぞれなので、面倒だなと感じる人もいれば、面倒を見てあげたい!と感じてくれる人がいます。そして、そういうお友達が周りにいてくれたら、自分が苦手な所をお友達が手伝ってくれたりしてくれます。しかもいやいやではなく好きでしてくれるからありがたい!
この善意を申し訳ないと感じて拒絶したり引け目を感じたりする人もいるかと思います。しかし相手としてはそこまで深く考えていない事も多いのです。なので、人の好意は素直にありがたく受け取っておくのがお互いにとっていいと感じました。
自分がどうしても難しい事、頑張れないことは遠慮しないで周りを頼ってもいいんです。相手も嫌なら断りますから。そして、そんな自分を受け入れて一緒にいてくれる人だけ大事にすれば、自分の周りは幸せです。
自分を騙して生きる
自分はできる!と思い頑張っても、苦手な事を自力で頑張ることはきついものです。このくらい簡単な事だと思っていても、やってみたら意外とできないことは多いものです。
例えば早起き・時間厳守など。社会ではこれが出来て当たり前と思われてても、苦手だという人は多いと思います。なので、苦手な事に関しては自分を信じない、諦める部分を作って、そこに関しては便利な機械などに頼ってみるのも1つの手ではないでしょうか?
著者は朝が弱いため、朝に時間通り起きる事が非常に苦痛だと言います。目覚ましだけではとても太刀打ちできないそうです。
そこで時間になったらカーテンが自動で開いて明るくなるように工夫したり、スマートウォッチの振動で起きれる様にしているようです。
仕事の納期がある時は、クライアントの方に少し早めに期限を設定してもらうようにしています。こうする事で実際の納期に間に合うように作業が出来るとの事です。
自分の苦手をちゃんと理解できれば、苦手を無くすのではなく、苦手と上手に付き合っていく方法や環境を作れます。自分に合った環境づくりって大事です。
完璧なんかじゃなくてもいい
著者は以前、ある専門家に『どうしたら遅刻しなくなるか』を尋ねたことがありました。するとその専門家は『完璧な人ほど遅刻する』と言われたそうです。
逆じゃないか?と思いましたが、説明を聞いて確かに!と感じました。
完璧主義な人は、例えば身支度ひとつとっても洋服の着こなし方や季節に合っているか?など色々考えて時間を多く使います。出かけるまでに時間があると、ちょっと作業をし始めて、その作業を途中でやめたくない為最後までしてしまい、結果遅刻してしまうなど多いようです。
また、完璧に出来ずに自分を責めてしまう事も多く、自己嫌悪で自己肯定感が下がる…という負のスパイラルに落ちていくこともあります。
そう、完璧主義な人って実は全然完璧ではないのです。
仕事でも、完璧に仕上げてから提出と考えるところですが、とりあえず6割程度の完成度で1度出してみる。意外とそのくらいの完成度でもOKな事も多いと気が付くはずです。
ポンコツな人ほど仕事くらいは頑張って、みんなに迷惑が掛からないようにと考える人も多いと思います。気持ちすごくわかります。ですが、完璧にしようとして自分を追い込んでしまい、失敗した時は自分を責めてしまう事があれば、それは自分の為になりません!
そもそも完璧な人なんていませんから、完璧を求めずにまずは60点とか80点くらいを目指してみるくらいのメンタルの方がうまくいくのではないでしょうか?
ポンコツを表に出してハードルを下げる
ポンコツな人ほど、周りからの目が気になるものです。少なくとも私はそうでした。ダメな自分を見られたらがっかりされたり面倒くさい人だなと思われることが怖くて、ついつい『自分出来ますよー。知ってますよー。』みたいな顔をするのが癖になってました。実際今でも知ったかぶりをする事も多いです。
いざ何か振られると緊張するし出来ないことも多いので、そのたびに自分はダメだなと落ち込んでしまします。
しかし、著者曰く『ポンコツキャラ』を表に出した方が結果的にハードルが下がり、『思っていたよりも出来るじゃん』というポジティブなイメージを持たれることが分かったと言います。
そうしたら、みんなできて当たり前の事でも、『出来ただけでもすごい!』という逆転現象が起きてきます。
こうなるともう、1周まわってポンコツの方が生きやすいのではないか!?と思えてくる程になると著者は感じたそうです。
私はこれを読んでいて、この方はすごいなと感じました。これは人よりも私はできないんだという事を受け入れた上にそれを許せないとこのマインドにはならないと思うからです。これは頭ではわかっていても、それを実際やる事は非常に難しいからです。
出来ないことを認めて、『私はこれが苦手です!できません!』と割り切れる事で、意地を張らない周りに好かれる愛されキャラとなり助けてもらえるのだと感じました。
自分のポンコツを棚に上げて人のせいにしたり、責任を押し付けてくるような人もたまにいるかと思います。ですが、『私はこれは苦手でできないから、助けてほしいです!』と素直に言われたら助けてあげたくなるものです。
同じ出来ないでも、意地を張って出来るから!という人と比べたら、助けてあげたい度が違ってきます。なので、ポンコツだと感じる人は勇気をもって開き直った方が生きやすくなるかもしれないですね。
③ポンコツのお仕事ハック
知らないことは選べない
これは仕事以外でもだと思いますが、私たちは自分の知っている事の中からしか選択肢を作れないし選べません。
この日本では納税・勤労・教育の三大義務があったり、お金についての教育が無かったり、高度経済成長期の影響で働いて貯金をする事が生活の安定だと今でも言われている事から、資産形成の為の知識がなく育つことでそのまま高校や大学から会社に入り、昇進や昇給をする事で手取りを増やしていき、定年退職をするみたいな流れがまだまだ一般的になっているかと思います。
著者も何の疑問も抱かずに就職して会社入って生活してたといいます。しかし、それは就職活動の時に個人事業主になる事やフリーランスとして活動できる環境があるという事を知らなかったから選べなかっただけでした。言葉だけ知っていて『フリーランスってフリーターみたいなことでしょ?』という妙な解釈をして、選択肢にも入らなかったと書いてました。
知らないという事は、自分の可能性や選択できる幅を狭めて、狭い世界でのみ生きていかないといけない、という事になります。その世界の中に、自分が住みやすい環境があればいいですが、そうじゃない人が大多数いるのではないでしょうか?
会社員は社会保障もあるし安定しているからいいでしょ?フリーランスは不安定だし特別な資格や才能が無いとできない、など自分でハードルが高い職業であると考える人もいると思います。
しかし著者は、フリーランスの友達がいますが、その人は特別な資格もなし、大学卒でもなし、ごく一般的な人でした。その人がフリーランスとして十分に活躍しており、フリーランスのリアルがわかった事で、著者もフリーランスという仕事の選択肢を増やしてくれたと感謝していました。
何事も知るという事は人生の選択肢を増やしてくれます。そうして初めて選ぶという事が出来る様になります。まずは、0のまったく知らないという状態を、たくさんの1を増やして選択肢を広げる事が大事だと思います。
選べるという事はそれだけ多くの未来を取捨選択できる権利があるという事です。自分が進んで選んだ道での困難と、1本道しかなくて仕方なく進んだ道の困難では、その道のりを歩く楽しさが違ってくるのではないでしょうか?
そんなことをこの章では学べたかと思います。
置かれた場所で咲かなくてもいい
自分が好きではない仕事や職場でも、生活の為に…と考えてやめられないマインドの中にあると、ここで何とか頑張らないといけない、という気持になると思います。その結果、メンタルや体調を崩してしまい仕事を辞めてしまう人もいます。
自分に合わない環境で働いていても、それに気が付かない人も多いように感じます。よく『とりあえず3年は頑張った方がいい』の法則や『置かれた場所で咲きなさい』という名言もあるので、その通りに頑張っている方もいるのではないでしょうか?しかし、自分と合っていない環境にいるだけでもストレスになりそうだなと私は思います。
合わない場所で頑張るよりも自分が好きな仕事や自分が求められる環境で働く方が精神衛生上良いのではないでしょうか?…もちろん給与面の問題もありますが、働けなくなるくらいなら、その場所を飛び出すという選択肢を持っておくこと自体は必要だと思います。
そもそも、幸せになる為に仕事を頑張っているという人がほとんどだと思います。その仕事で心と体を崩してしまうのは本末転倒だと感じます。今は色々な仕事があって自由に生き方を選べる時代です。楽な仕事なんてありませんし、どうせ仕事をしないといけないのならば、好きだと思える仕事をできた方がいいのではないでしょうか?
ポンコツであっても、好きな事や得意な事はあるはずです。そこを仕事に活かせるなら、仕事も楽しくなるのではないでしょうか?
その人しかできない仕事なんてない
1度就職すると、やめたいと思っても人手不足で、自分が辞めてしまうとみんなに迷惑がかかるから辞められないという人も多いのではないでしょうか?
著者は仕事が辛いとかの相談をされるときには、ある決まり文句があると言います。それは『スティーブ・ジョブズにすら変わりがいるのに、私たちに変わりがいないわけがない!』という言葉です。確かに!と納得しました( ^ω^ )
もちろん、特殊な仕事をされている方もいるかと思いますが、一般の会社員であれば探せばいくらでも変わりはいるはずなんです。
それに人が少ないや抜けると変わりがいない…などの状況を作っているのは会社の方です。そしてイヤイヤ働く社員がいることは会社としても良くない事だと思います。
辞める辞めないは個人と会社の契約の問題だと思います。なので、周りの人の迷惑がなんたらとかは会社側の問題だと思います。会社の人を守るために働いても、自分が無理して体調を崩したり精神を病んでしまってはどうしようもありません。会社は何かあっても私たち個人の事は守ってはくれません。会社は会社を守ります。
なので、合わないと感じたり、他に魅力を感じる仕事があるのなら、やめるという選択肢はあっていいのではないでしょうか?。
やめなきゃいつかなんとかなるの法則
『努力すれば必ず報われる』は呪いの言葉です。正確には『努力する事で何かしらの形で実る可能性がある』と言い換えた方が良いと著者は言っています。私もこの言葉には同意でした。そのくらいに思っていないと、努力して結果が伴わないことなんて世の中にはたくさんあるからつらい思いをしてしまいます。
努力の量だけ結果報われると思っていると、結果が出ない時に自分を責めてネガティブな思考になってしまいます。
かくいう私もまさにこのタイプでした。努力自体はコツコツ・黙々とできるタイプで、小さい頃はそれでもよかったし褒められました。大きくなるにつれて努力しても実らない事が増えていき、自己嫌悪に陥り自己肯定感も下がっていきました。そして軽い鬱のような、コミュ障のような状態になった時があります。
著者は逆に努力が出来ないタイプだったようで、習い事もその場しのぎで何とかやっていたり、受験勉強も途中で放棄したり、部活も頑張った記憶はなく悔し涙も流したことが無いと言います。そこに著者はコンプレックスを持っていたと言います。
そんな著者がたどり着いた真理が『やめなきゃいつかなんとかなる』という境地です。
努力というと、頑張って何かを成し遂げる!という様な根性論のような考えが浮かぶかもしれません。しかし、それを他の人にも同じ熱量でもとっめる人がいます。
たとえば「自分たちが若いころは大変だった。………」と語りだす高度経済成長真っただ中にいたおじさんやおばさんは、苦労話を持ち出すのが好きで語りだす人がいないでしょうか?今の若い人は根性がない!とか言い出す始末です(私の偏見が強めなのでしょうか?)。
努力も方向性があっていないと、いくら頑張っても空振りするのは当たり前です。水泳が上手くなりたいのに、ひたすらにリフティングの練習をするくらい方向性が違っていたら、全体結果なんて出るはずありませんよね!
努力というのはいつ実って結果として現れるかわからないものです。結果が出ないと辛く感じるから、脱落する人も出てきます。でも、やめさえしなければいつかなんとかなると思ってコツコツと続けた人は、やめた人よりも先の景色を見れるかもしれません。
著者も昔から文章を書いていた結果、ライターとしてのフリーランスとして働けていると言われています。さらに、月に2回のボイストレーニングをしており、歌の幅が広がったと言われています。また声優業もされている事からも、ずっと続けていたボイストレーニングも努力の形として現れた結果だと思います。別に1番ではなくても構わない。その努力が誰かの目に留まり、声をかけてくれるかもしれません。
昨今は情報社会という事もあり、ある程度の正解は検索などして見つかります。だからかはわかりませんが、試してダメならすぐやめる人も多いように感じます。もちろんそれもそれぞれのやり方なのでいいとは思います。
しかし、結果だけを求めて、効率とか努力量のコスパとかよりも、とりあえず好きな事や興味のある事を続けてみるだけでもいいのではないでしょうか?頑張るベクトルが好きな方向に向いているだけでも、自分の生活が明るくなるのではないでしょうか?
休むことはご褒美ではない!仕事です
皆さんは有給休暇、とれていますか?著者は有休をとる事に罪悪感があったと思います。多分多くの人が同じではないでしょうか?特に他の人が有休をとっていない中で自分だけ取ったり、子供の体調不良が原因で長く休まないといけない時とかに罪悪感を感じてしまうのではないでしょうか。
著者は有給休暇制度について弁護士に取材した時に、『休むことも義務で仕事の一部』と言われてハッとしたと言います。
有給休暇は2019年4月から年に10日以上の有休をもらっている人は、最低でも5日以上有給で休むことが義務となりました。その背景としては、日本人の有給休暇取得率が他国と比べると低いため、てこいれがあり政府主導で改革されてました。
有給休暇は罪悪感があるかもですが、過労で体を壊したり精神的に追い詰められるなどあってからではなかなか回復できない状況になります。
有給休暇を取るには条件もありますが、普通に働いていたらクリアできるものです。
- 出勤日の8割以上がちゃんと出勤している事
- 6か月以上同一の企業で働いている事
の2つです。それと、以前は休む理由を報告しないといけませんでしたが、2019年4月以降では上司や企業に対して休む理由をわざわざ報告しなくてもよくなりました。
つまり、「最近体がだるいから休みたいなー」や「好きなアイドルのライブあるから休んでいきたいなー」などの理由で休みを取る事も、理由なしで休めちゃうんです!もちろん働いている企業によっては理由を聞かれるところもあるかもしれません。そこは企業の懐の深さ次第でもありますが、制度上は可能です。有給休暇をとる事に対して企業側も特別な理由がない限りは拒否できないはずです。
大事な有給休暇を、どうでもいい理由でポンポン休み、本当に必要な休みを取りたいときに残っていないのは困りものですが、働きすぎてヤバいと感じたら休むなど、リフレッシュや体調を崩さない為の『予防』として休むことは大切です!
働くために心と体が健康じゃないといけませんから、休むことも仕事だと割り切って休みを取る事も立派な仕事の一部なのです!
大人なら、たいていのことは自分で選んで動かせる
皆さんがいるその環境は、全て自分が選んだ結果として現実となっています。
昔は自由恋愛ではなかったし、やりたいことができる時代でもなかったし、住む場所を選べなかったはずです。時代的に自分の思い通りに選択する自由が無かったと思います。
しかし、現在の日本は働き方も、結婚の有無も、どこの学校に行くかも、住むところも全てが自分の意志でどうにかできるような環境となっています。
そんな環境の中で、自分が選んだ今の状況で、同僚や上司・家族や仕事やプライベートの事などを愚痴ったり嘆いたりすることは、昔の自分の選択を否定している事と一緒で、自分の愚痴を言っている事と変わらないと思います。
確かに自分だけでは選べないこともあり、周りの影響を受けてしまうこともあるかと思います。また、自分では決めたわけじゃない!という人もいるのではないでしょうか?しかしこれも『選択しないことを選んだ』のだと思います。
こういう人は何か問題があった時に自分のせいだと非難されないようにしているだけだと感じます。
みんな気が付いていないだけで、誰もが本当は選べる立場だし、全ての事を自分で選んできているのです。幸も不幸も自分次第です。少なくとも大人は自分の舵を自分で握ってるはずです。現状を人のせいにしない生き方にできる様に、流されて生きることはしないようにしたいですね。
④めんどくさくない人間関係を築く魔法
人は分かり合えないことを悟る
この世界はどこまで行っても人間関係での悩みは尽きません。
世の中は自分が『正しい』と思う事も、誰かから見たら『間違い』となる事もあります。そして、自分の正しいと思う事を相手にも求めるから、人間関係が難しくなるのだと思います。
私は他の人から同意を求められるのが好きではありません。自分の意見を言った後に『自分間違ってる!?そう思わない!?』と同意を求めてくる人が苦手です。内容によっては賛同できるところがあれば『そうですね』と返せますが、賛同できずに違和感がある内容の事の方が多い場合は、内容を聞いているだけでもストレスだなと感じることが多いです。
結局自分の意見を言う事が面倒なので『そうですね』と合わせる事が多いですが…
人は自分が正しいと思いたいたくて周りの人に賛同してほしいから、今その人が欲しそうな言葉を探してしまいます。自分の意見を言った方がいい場合って、日常生活上そんなに多くないなと私自身は思います。
もちろん、議論をしたい場合は自分の意見を相手に投げることは大事になってきます。しかし、日常生活の会話というのは【賛同と共感】を求めて話をする事が多いのではないでしょうか?そこに『いや、私は…』と自分の考えを投げていくと、人間関係が面倒な事になりそうだと感じます。
私の好きな言葉に【沈黙は金】という言葉があります。なので、自分を出さずに黙って話を聞いて、相手の意見に合図地を打つことがほとんどです。
相手に理解を示してもらえない時に、がっかりしたり落胆したり、時には理解してくれない人を攻撃するような人もいます。この裏には『私の考えは世間的にもスタンダードだし、間違ったことは言ってない!』という考えが深層意識の中にあるから、自分の考えと違う事を言われると過剰に反応するのではないでしょうか?
人なんて10人いれば全員違う事を考えてるし、感性だってそれぞれ違うのだから元々100%理解してもらえるはずがないんです。それは一緒に過ごす家族でも、唯一無二の親友でも無理だと思います。わかりあえないことが普通だととらえる事で初めて、自分の考えと違う事を言われたときに『そういう考え方もあるよね』と流せるようになるのではないでしょうか。その違いを楽しめるようになったら、人生が楽しくなると思います。
嫌われてもいいと思えたら、人間関係は楽になる
学生時代は、クラスや部活動や関わる友達など色々なコミュニティという小さな箱の中にいます。その中で何かやらかしてしまうと自分の評価が下がり友達からも嫌われるかもしれません。
学生の頃は、学校が生活の大半を占めますから、その箱の中が生活のすべてだと感じてしまいます。
著者は学生時代に友達やクラスメイトから嫌われないように『八方美人』として振舞ってきたそうで、頼まれごとは断らないし、宿題をやらされたりもしたし、嫌がらせをされてもへらへらとやり過ごしていたそうです。いつも笑ってるので『ニコニコちゃん』と揶揄されることもあったと言います。
私はこの部分にすごく共感できました。それは私も同じように『八方美人』としての学生時代を過ごしてきたなと思っていたからです。とにかく嫌われることを恐れていて、怖くて仕方なかったことを覚えています。いつもニコニコとはいかなかったですが、頼まれごとは基本断らないようにしていたし、嫌われないように今どういうアクションをした方がいいのか?を常に考えていました。
著者の話に戻りますが、そんな著者も大学の後半に入ったころにはどうでもよく感じてきたようで、社会人になってからは周りに合わさずに、無理して会社の飲み会にもいかないようにして、友達付き合いも数人の仲の良い人のみになったと言います。
そんな著者がたどり着いた真理が、『嫌われてもいい』と思った方が好かれるというものです。
仲がいい人というのは自分の腹の中を見せてもそのまま受け入れてくれるものです。しかし、嫌われるのが怖いから、相手の求める言葉を探したり、自分の良いところを見せるために必死になったり、嫌な部分は取り繕ったりするのは、相手にとっての『ちょうどいい人』になるだけで、本当の友達にはなれないと思います。
腹の中を見せることは勇気が必要ですが、人と付き合う中で疲れるなら自分が無理して付き合っている人だという事じゃないでしょうか?会うと疲れたりしんどいと感じる人と、本当にいい関係を築けるでしょうか?一度腹の中を見せてはなれるようなら、自分にとっては合わない人だったんだと割り切って、自分と合う人だけと付き合った方が、結果的にラクだし楽しい人間関係が築けると思います。
自分だけの王国を築いていく
先ほどのコミュニティの話ですが、そこに属して生活することは多いです、しかし、自分が選んだわけではない人達と1つの箱の中にいると『仲良くしなくちゃ』という考えになりませんか?
自分が違う・嫌だと思ってもそう言えない雰囲気。コミュニティあるあるだと思います。もし多数決で自分だけが違う意見でそれが続いてしまったら…きっとそのコミュニティに居づらくなると思います。
そんな生活を繰り返すことに、著者は一石を投じます。『あなたはそのパーティで生きていきますか?』と。
【あなたの周りの5人の平均があなたである】というアメリカの起業家、ジム・ローンの有名な言葉がありますが、人は自分の周りの5人の人で人格形成がなされるそうです。いい人が周りに多ければ自然と良い人になるし、悪口が多い人が周りにいれば、自分も悪口を言う人になることでしょう。
自分が心地よい人生を歩みたいのであれば、自分の周りにいる人を少しでも自分の理想に近い人にする必要があります。自分が嫌だなと思う人を周りに置く必要は微塵もありません。
著者の自己肯定感をあげる方法があります。それは負の要素を排除するという事です。これは
- 自分を攻撃してくる人と関わらない
- 自分の力が生かせない人と関わらない
- 自分のコンプレックスが浮き彫りになる状況を作らない
それと、自分の事をほめてくれる人、又は容姿で人の事をジャッジしない人としか一緒にいいない様にする事です。
自分が心地いいと感じる世界にするには、関わる人が重要です。自分の苦手な人を周りに置かず、苦手な場所にはいかず、自分が好きな人やモノがあふれる場所を作る事で『自分だけの王国』を作るのです。王国ができたのであれば、その世界であなたは最強になれることでしょう。
⑤まとめ
今回は『ポンコツなわたしで、生きていく』を紹介しました。私の勝手な想像ではありますが、自分の事に自信を持てない、他人と自分を比較して落ち込んでしまう。など多かれ少なかれ自分の事をポンコツだと感じる人って結構いると思っています。
本書は自分の事を責めてしまったり自己肯定感が低い人の為の心の指南書的な本であると感じました。『失敗しても大丈夫。そのままのあなたでいいんだよ。あなたを必要だと言ってくれる人や場所は必ずあるし作る事もできるから』と勇気をもらえる本だと感じました。
本書をまとめると
- 自分をポンコツな部分を認めて受け入れる
- 自分が変わらない為に、『人』『場所』『環境』を変える
- 自分のポンコツな部分を隠さない方が幸せになれる
- 置かれた場所で咲かなくてもいい
- 休むことも仕事の一部
- 人はわかりあえない。嫌われてもいいと思えたら楽になれる
- 知識を積み上げて自分だけの財産を増やす。本を読むことがいい。
以上がまとめでした。
今回も長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。