皆さんこんにちは!今日もいい読書ライフを送っているでしょうか?
今日は『イーサン・クロス』さんが書かれた『Chatter[頭の中のひとりごと]をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法』という本を紹介します。
この本は一言でいうと『自分の思考をコントロールする方法を教えてくれる』本です。
私たちは、何か困った事や感情が大きく動く時に頭の中で考え事をするかと思います。
人に質問や相談したいと思ってもなかなか勇気が出ない事や、はたまた言うほどのことでもないけどちょっと悩ましいと言う状況なども往々にしてあると思います。
そして、それは歳を重ねるごとに相談できる相手も少なくなるように感じます。そんな時、皆さんはどうしますか?
実は私たちは自問自答をしながら自分との会話をたくさんしています。人にもよると思いますが、1日平均て約6万回は自分に話しかけてると言われています。これってすごく多いと思いませんか?
これは1分間に大体40回くらい話しかけてる計算になります。つまり人はほとんどの時間を自分と会話しながら生活していることになります。この頭の中のおしゃべりを本書ではchatter(チャッター)と読んでいます。
しかし、このchatterは自分の味方というだけではなく、自分の心の声でネガティブな方向に向かわせてしまう原因になることも往々にしてあります。
そして、この自分との会話は意識してコントロールしていかないと、制御が難しいとも書かれています。
1番話をする人は自分自身で、その人がネガティブなことばかり言ってきたら皆さんどう思いますか?
それが他人であれば、なるべく話さないように距離を取ったり、言い返したりするということもあるかと思います。しかし、相手が自分となるとなかなかにうまくいかなくなります。
今回は自分の心の声をコントロールするやり方について学んでいましょう。内容は言葉にすると簡単なものも多いですが、具体的にはどうすればいいの?という部分も多いので、私の独断と偏見でためになった部分や面白いなと感じた部分を紹介していこうかと思います。
皆さんの生活の一助となれば嬉しいと思いますので、最後までお付き合いお願いします。
目次
- 作者、本の概要、おすすめの人
- chatterってなんですか?
- chatterをコントロールするための方法7選
- まとめ
作者、本の概要、おすすめの人
作者について
- 名前:イーサン・クロス
- 意識する心のコントロールに関する世界の第一人者。ミシガン大学とロス・スクール・オブ・ビジネスの受賞歴のある教授で、感情と自生研究所の所長。
- ホワイトハウスの政策議論にも参加経験があり、多数のTV番組にて研究に関するインタビューを受けている。
- ペンシルベニア大学で修士号を、コロンビア大学で博士号を取得。
- 本書が初の著書。
本書の概要
- ページ数:284p +α
- 本書は、自己の中での会話が私たちの心や体に悪影響を与えている事実を認識させてくれる内容で、その事例や研究内容を踏まえて説明してくれるないようになっています。
- その状況や環境など様々な事柄から私たちが影響を受けている事がわかります。そして、自分との会話を変える事で、自分に対していい影響を享受出来るための方法や考え方を教えてくれる。
- 私たちは他者と会話をしていない時、無意識に自分と会話をしているので、1番の話し相手である自分とどのように向き合っていけば良いかがわかります。中には当たり前でしょと感じる内容もありますが、そのほとんどを実行できている人がいったいどのくらいいるでしょうか?みんな出来てたら、世の中で悩む人はそれほどいないと思います。
- 頭ではわかってるけど実行できていないという人がほとんどだと思うので、本書に紹介されている内容を1つでも実行していければ、自分の思考を変えるきっかけになると思います。
本書をおすすめしたい人
- ネガティブな方向に物事を考えてしまう人
- 独り言や考え込む時間が多いと感じる人
- いつも気分が落ち込んでしまう人
- 悩み事でぐるぐる思考になってしまう人 など
chatterってなんですか?
本書ではchatterを色々な表現で書かれていますが、わかりやすく言えば『頭の中の自分との会話』だと思ってもらうといいかと思います。
よくドラマや映画などで、心の中の声で自分と会話をしたり、擬人化した自分の心と話をしたりするシーンを想像するとわかりやすいでしょうか?自分自身と話をするという感じです。
しかし、chatterにはいくつか特徴があり、それがいい方に向かないことも多くあると書かれています。ここでは大きく2つを紹介していきます。
特徴1:循環するネガティブな思考と感情
特徴2:『初期状態(デフォルト)』
今、ここから離脱して、過去の出来事や想像上のシナリオ、黙想などで、目覚めている時の1/3または1/2の間、今ここの事を考えておらず今を生きていない状態。
本書では、chatterをネガティブな自分との会話、通常時の1人での思想などを内なる声として表現しています。
chatterによる会話は、ストレスやリスクが高い事への判断、冷静を保てないような感情になった時などに現れやすいです。
そして、この頭の中のひとりごとは万国共通で人種の壁を超えて誰にでもある物です。
内なる自分との会話は誰にでもある反応です。習性と言ってもいいかもしれません。
では、なぜchatterという機能が人にはあるのでしょうか?
本書でも色々な角度から説明がありましたが、その中から『言語の発達』と言葉は自我という『物語』の想像に不可欠という観点から簡単に説明が書いてあったので紹介してみます。
chatterに襲われると、今まで行えていた事が上手くいかなくなる事も多いです。特にスポーツなどでは、アマチュアの方はもちろん、プロに関しても例外じゃありません。
chatterが突然内なるモンスターと化して攻撃してくるようになります。馴染みが深いところで、スポーツを例にしてみます。どのスポーツでも特定の動作を繰り返して、精度やスピードが要求させる事が多いと思います。
野球で考えると、基本的な動きは『走』『投』『打』の3種類ですね。『走』は出塁時や守備でボールを追いかける時などスピードを求められ、『投』では正確に・速くが求められます。投球動作にはピッチャー、キャッチャー、内野や外野といったポジションでそれぞれ投げ方に違いが出ます。『打』はバットを振るという動作に、球種によって打ち方を変えていくことが大切になるかと思います。
これらの動作を様々なプレッシャーの中で無意識的に素早く行わないといけません。普段は練習して馴染んだ動作なのであまり問題になりませんが、大事な場面になると内なるモンスター(自分の心の声)に変なプレッシャーを感じてしまい体が普段通り思ったように動かない・・・という経験はありませんか?
上手くやろうとするけれど、体がチグハグに動いている感覚になり思ったように動かなくなります。私は正直プレッシャーに弱く、本番にめっぽう弱い感じでした💦
本書を読んでいると非常に納得できました。上手くいかない時というのは、大抵自分の中であれこれと考えていて、プレーの最中でも考えがまとまっていなかった事を思い出しました。
小さなミス1つでも、その原因を考えるならいいですが、頭の中では『こんな簡単なプレーも失敗するのか!みんなに迷惑かけてるぞ。飛び抜けた才能なんてないんだから交代した方がチームのためになるんじゃないか?』など、ネガティブな心の声に支配されて罪悪感や無力感、自分への猜疑心、劣等感がぐるぐると頭を駆け巡ります。
一度考えてしまうとこのネガティブサイクルは止まりません。こんな状況では、次からのプレーが上手くいくはずもなくメンタルは崩壊していってしまうのです。
逆にプレッシャーを感じていても上手く動けている時は、あれこれ考えておらず、頭の中がスッキリとした感覚である事が多かったように感じます。
ミスをしてもそこまで深く考える事はなく、変なプレッシャーを感じることもなく自分をコントロールできているという感覚があります
。ある程度プレッシャーも大切だし、ミスしたら自分の中で修正する過程も必要ですが、それがネガティブな方に働かないようにコントロールする事が大切だと思います。そのためには、自分の中のモンスターに飲み込まれない方法を知る事が大切さになってきます。
chatterは心の中の隙間を塗りつぶしていき、時に集中力を奪っていきます。また、chatterとはネガティブな思考になり、その状況をとても覚えているのです。嫌なことってみなさん覚えてませんか?
ネガティブな感情を人は他人にぶつけることがあります。それは友人に愚痴として話したり、子供に八つ当たりしたり。でもこれは好ましい行動ではありません。
心に余裕がなくなってしまい、合理的な判断がつかなくなってきます。そのストレスやネガティブな思考のことに頭が向いてしまうと、視野が狭くなっていきそのこと以外考えられなくなっていきます。
では、chatterを回避、克服するために何か方法があるのでしょうか?
次から、その方法についてご紹介します。
chatterをコントロールするための方法7選
本題では26の方法とありますが、中には似たような内容や普段実践できるか難しそうなものもあったので、読んだ中で厳選して7つ紹介していきます。
簡単なものもあるので、出来そうだなと思えたら生活の中に取り入れてもらえると世界が変わるかもしれません!
1.自分と距離を置いて話をする
もしも自分が悩みやストレスでネガティブな思考が頭の中をぐるぐるしてる時は、その問題を近くで見すぎているかもしれません。
その問題に集中するあまり視野が狭くなっている可能性があります。この状況を『ソロモンのパラドックス』と呼ぶそうです。
この状況になった時には、その問題に対して『距離をとる』事が有効だと著者は言われてます。距離をとると言われると、問題から離れて”そのことについて考えないようにする“ことだと思うかもしれませんが、少し違います。
最近言葉を耳にするマインドフルネスという瞑想法は思考をただ眺めて観察する瞑想でそのまま観察瞑想というみたいですが、本書での距離をとるという意味は『問題に対して関わりをもつ事』だと言います。
今の心の位置から一歩引いて全体を見れるようにするといったイメージでしょうか?
例えば、人間関係でいうと、視野が狭いというのは『自分』の事しか見えていない状態です。人に注意をされたとしたら、『注意された。むかつく。なんで私ばかりにい言うの?』など自分視点でしか考えられない状態だと思います。
ここで一歩引いて全体を観てみるとどうでしょうか?注意した相手は、自分のことをなんで注意したのか?という相手の立場になって考えると言う選択肢が増えます。
単純に自分が悪いから注意されたかもしれませんし、相手はあなたを心配してくれて注意したのかもしれません。あなたを壁にして、あなたを含むその場所にいるその他の人に対しても注意を促そうとする意図があったかもしれません。あなたのことを大切に思うからこそ注意をしたのかもしれません。
どうでもいい人のことを注意するって事はそうそうない事ですし、注意する側も心の負担があることに気がつけます。
一歩下がって物事を見るだけでも色々な選択肢が出てくる事がわかります。そして、個人的には、この視点で考えられるようになるとネガティブな考えとポジティブな考えを両立出来るようになると感じます。
そうした時に、自分がどちらの考えで解釈するかで、ネガティブにもポジティブにも物事が考えられるようになります。すると、自分との会話でも、ネガティブではなくポジティブな会話を選択できてくるかもしれません。
2.感情を表に出す(日記を書く)
感情を表に出す事は、コミュ障の自分にはすごく難しいと感じています。いくら客観的に物事を眺められるようになっても、理不尽な状況やストレスを感じる場面というのは1日の中で多々起きるものです。
自分をなだめて落ち着かせられても、心の中にモヤモヤした感情は積み上がっていく感覚が私はあります。心の隅の見えないところに積み上げていき、いつのまにかそれが大きな山になっていて崩れそうになっている、なんて感覚皆さんはありませんか?
その感情や自分の考えを他の人にわかってほしくなる時があり、同僚や家族に話してしまう事が稀にあります。しかし、この溜め込んだ感情は少しだけ話してみようと思っていても、一度口を開けようものなら止まらずに雪崩のように口から出ていきます。
思ったままに話している時はすごく気持ちがいいのですが、冷静になってきた時には、相手の反応や表情が思わしくないという事に気がつきます。そのたびに申し訳ない気持ちになってしまいます。
これは自分の心の距離を上手く保てていない状態だなと感じます。そんな時は『日記』をつける事がいいと著者は言われてます。
日記といえば1日にあった事を何でも書いていくイメージがありましたが、ここでは書く内容を限定しましょう。1日にあったことを書き連ねるのではありません。
日記に書く内容は『最も動揺したネガティブな経験』についてです。それを15〜20分かけて書き出します。日記をつけるという行為によって、でネガティブな経験から距離を生み出し、客観的に自分の感情を見る事ができるので冷静に分析できるようになります。
また、不満の気持ちを視覚的に確認できる事で、客観的に自分を見る癖がついてくると思います。なので、ネガティブな気持ちになった時に普段から日記をつける事で、その場でも客観的な視点で見れるようになってくるのではないでしょうか?
芸人さんで、こんな風にネガティブな内容をメモしてる方の話を耳にしますが、それを客観視して頑張るエネルギーにしているようですね。
日記にはそんな使い方があるのかと感心したました。私が知ってる芸人さんは南海キャンディーズの山里さんと、パンサーの向井さんです。どちらも売れっ子の芸人さんで実際にラジオなどでも日記の事を話しされていました(^^)みなさんも感情のはけ口として日記をつけてみてはいかがでしょうか?
3.自分と他人目線で会話する
先程自分と距離をとって会話をするという話をしました。会話をするという事は、相手の事をなんと呼ぶのか?という問題が出てきます。
普通に他人と話をするだけなら、○○さん、○○様と名前で呼んだり、その人の役職や愛称で呼んだりと色々あるかと思います。
しかし、みなさんは自分と日々会話をする中で、自分のことをなんと呼んで話をされてますか?むしろ、思考だけが先行して呼んだりはしないという人が大半なのではないでしょうか?
本書では自分と他人目線で会話をする事を推奨しており、そのために自分のことをちゃんと呼んで話をする事が大切だと言われてます。
その呼び方とは『自分の名前をそのまま呼ぶこと』です。一人称の『私』とかではなく、自分の名前を呼ぶのが1番自分と距離をとって話ができるみたいです。
例えばAさんという人の頭の中で、『今日、私はなぜ後輩に怒ってしまったのか?』と考えるのではなくて、『おいA!なぜ後輩を怒ってしまったんだ?』と考えた方がより客観的な視点からそのことについて考えられるようです。
実際この手法を使う時は、何か緊張する場面やストレスに直面している時が多いと思います。本書でもいくつか事例を挙げてますが、その中にはユリウス・カエサルが自らの活躍を記す際に、『私』ではなく3人称の『彼』や自身の名前を用いて書かれていたという話がありました。
また、著者が実験で集めた人に、『なぜ自分には夢見た仕事に就く資格があるのか』について人の前で5分間スピーチをさせるといった実験を行ったとあります。その時にグループを2つに分けてそれぞれの反応を見ます。共通のルールは、メモを取らないことと、プレゼンテーションの準備時間は5分間ということ。
そしてグループごとのルールは、1つのグループにはスピーチにまつわる不安について考える時に1人称の『私』を使うこと。
もう一方のグループは同じことをする時に『自分の名前』を使う事を条件にしました。
プレゼンテーションの結果、『自分の名前』を使ったグループでは、スピーチ時に恥ずかしさや気まずさをあまり感じなかった事や、スピーチ後に自分の出来栄えについて反芻することも少なかった事がわかりました。
こういった事からも、ストレスのかかる場面で自分の名前を読んで話をする事は、自分をより客観視でき、ネガティブな思考になりづらいということが言えるのではないでしょうか?
私はよく独り言を言いますが、自分のことを読びながら話すという事はなかったです。今後独り言を言う時には、意識的に自分の名前を読んでみようかなと思います。
4. 儀式をする
chatterをコントロールするためには、プラセボ効果も役に立つようです。
プラセボ効果とは
プラセボは『偽薬』という意味で、ただの砂糖の錠剤やビタミン剤などを病気の薬だと言われて飲むと、症状が改善するというようなものです。薬を飲んだら良くなる!という暗示や思い込みの力みたいなものでしょうか?
プラセボは物やシンボルに『魔力』を与える人類古来の伝統に連なる物です。神話のソロモン王の紋章は、害を及ぼす悪魔を追い払う力があると信じられていました。グアテマラでは子供が怯えた時に、マヤの民族衣装を着た人形を与えます。この人形は心配する心を取り除く物だと言われてます。
また、独自のお守りを持ってる人もいます。マイケルジョーダンは試合中、ユニフォームの下に大学のハーフパンツを必ず穿いていたようですし、身近なところでは、日本人は交通安全や安全出産などのお守りを買って身に着けたりする習慣がありますよね?あれも一種のプラセボ効果だと思います。
縁起物やお守り、特別な環境などのプラセボが楽にしてくれると信じていれば、実際にそうなることが研究結果から明らかにされています。
そして、それはchatterにも効果がある事がわかっています。精神的なストレスが原因となりやすいうつ病や不安症状もプラセボ効果についての研究により、症状が軽減している事がわかっています。
また、プラセボ効果については薬の服用だけでなく、行動についても同様の効果が見られます。
ルーティンや儀式のように一連の行動をとることで精神的に落ち着いたり心が楽になったりする効果があります。
本書では厳密には儀式とルーティンは違うとされてましたが、個人的には同じような話だお感じたので、ここでは同様に扱います。
スポーツ選手は、よく独自のルーティンワークがあるといって紹介される事があります。試合前にする行動や、普段から行ってる行動をする事で、緊張をコントロールしてる選手も多いですね。
ルーティンや儀式といったものは、心を乱すものから注意を逸らしてくれます。一定の行動に集中して課題を実行することに脳を使うので、不安やネガティブな思考が心の声に反映されづらくなります。
ちなみに、私は過度の緊張しいで人と話をする時は常に緊張して背中に汗をじんわりかいてしまいます。それが先輩や上司はもちろん、友達や後輩などでも変わりません。
そんな時の私のルーティンは、右手の親指と人差し指を軽く擦り合わせるという行動です。
なぜかはわからないですが、緊張してるなという場面で私はいつもこの行動をしています。こうすることで少し気持ち的に楽になる感覚があります。
みなさんは自分だけの儀式やルーティンはありますか?その人の癖や行動を見ていると、その人のルーティンがわかって面白いかもしれませんね。
5.目に見えない形で支援する
今までは自分との付き合い方についての方法でしたが、今回は他人との向き合い方について話をしていきます。
自分に近い人が困っているなと感じた時、みなさんはどう思いますか?大半の方はその人の力になりたいと思い、助けようとするのではないでしょうか?
しかし、困ってる相手の問題を全て解決しようとする事がいいとは限りません。
仮に困っていた原因についての答えを教えて解決したとしても、その人が100%で喜べるでしょうか?人に100%頼ると言う事は自分の力で解決できなかったという事も同時に見せつけられてしまいます。
助けてもらってありがたい反面、自己肯定感が下がってしまったり、ネガティブな感情や相手に申し訳ないと思わせてしまうなどもあるのではないでしょうか?
こういった場合の対応について、相手に助けている事を気づかせない支援をしよう、というものでした。
本書では『目に見えない支援』と呼ばれてます。例えば、本人が悩んでいることに対して、似たような事で悩んでいる人たちがとった対処の方法を話したり、その人に向けられてるとわからないように、他の人にアドバイスをするなどです。
私の読んだ感覚では、『悩みを解決できるように環境を整える(静かな環境を作る、家事を受け持って考える時間を増やしてあげるなど)』ことや、『答えを与えずに、ヒントを与える』ことや、『ある程度ヒントを与えて、答えを導く工程は本人ができるように支援をする』というようなことなのかと感じました。
こうすることで、問題を自分で解決するできたという肯定感が上がることや、chatterによるネガティブなメンタルになりづらいのではないでしょうか?
6.人の体に触れる
先程紹介した、『目に見えない支援』は感覚的には非常に高度なテクニックだなと思いました。
効果はあると思いますが、人によってのラインがわからないから、どこまでが目に見えない支援となるのかのバランスが非常にわかりずらいと感じます。
しかし、近しい人を手助けできる簡単でかつ効果的な方法が紹介されてました。それは『愛情がこもった身体的接触』です。
身体的な接触は、私たちが用いる最も基本的なツールの1つで、自分にとって誰よりも大切な人が、ネガティブな感情を好転させる手助けになります。研究によると、近しい人から歓迎されて愛情を込めて触られたり抱きしめられるのを感じると、人はそれを『安全で、愛されていて、支えられている証拠』だと解釈するといいます。
また、脳の報酬回路を活性化させて、オキシトシンやエンドルフィンといったストレスを解消する神経化学物質の放出を促してくれることもわかっています。
他の研究では、1秒肩に触れるだけで自尊心の低い人が死についての不安を抱きにくくなったり、他人とのつながりをより強く感じる事がわかっています。
また、テディベアなど安らぎをもたらす無生物(人形とか)に触るだけでも効果があるようです。子供が人形を好きな理由もそこにあるのかもしれませんね。
7.自然に触れる
自然に触れると心が開放的になったり、リラックスできたりしませんか⁉︎
本書でもそういう内容を示唆する研究があり、自然に触れる事で、脳の注意力が高まり、chatterが減り物事に集中しやすくなるようです。
しかし、現代の特に都会に住む人はなかなか自然に触れる事が難しいのではないでしょうか?
ある報告では、2050年には世界人口の68%の人が都市に住む事が予測されています。それだけの人が都市型の生活をすることになり、生活は便利かもですが、精神的なストレスを抱える人が多くなる事が予想されます。
都市で生活する人には自然に触れてストレスを軽減させるという事ができなくなるのでしょうか?
実はそのような心配はいらないと著者は言われています。写真やビデオなどの映像を通して見る自然との接触でも、注意力は高まる事がわかっています。
ある研究ではスピーチというストレスがかかる課題がある人に、街中の映像と自然豊かな映像を見る2グループでストレスからの回復を見る実験をしました。
結果は自然豊かな映像を見たグループは、街中の映像を見たグループの人よりも60%スピーチのストレスから回復する力が増した事がわかりました。
また、似たような研究で、自然の音(雨音やコオロギの鳴き声)を聴かせるだけでも注意力に関する成績が向上した事がわかっています。
この事からも、都会でコンクリートに囲まれた生活をしていても、動画などで自然の映像や音を流しているだけでストレスや注意力が回復することや、ネガティブ思考になりづらくなる事がわかりますね。
なので、もし近くに自然がなかったり、忙しくて自然と触れ合う機会がないという方は、動画や写真で自然に触れる事を意識してみてはいかがでしょうか?
今はお手軽にいろいろな風景の動画や画像がネットで無料で見れますから、おすすめです。いい時代ですね(^^)
まとめ
今回はイーサン・クロスさんが書かれた『Chatter[頭の中のひとりごと]をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法』を簡単ではありますが紹介させて頂きました。
個人的には私は頭の中でも日常的にも独り言を言ってる事が多く、またネガティブな方向に思考が向きやすいこともあり、非常に参考になる本でした。
自分との心の距離の取り方や俯瞰で見るためのテクニックがあることに驚きましたし、ネガティブ思考にならない方法は意外と簡単に出来るんだなと感じました。
また、他人のchatterにも影響を与える事ができる事も学べたので、もし自分の子供がネガティブ思考になっていると感じたら、触れることを意識したり、自然に触れられる環境に連れ出したりするなど、簡単に出来ることから試していきたいなと思えました。
最後に内容を簡単にまとめます。
- 問題に対して距離をとる
- ネガティブな感情を日記に書き出してみる
- 自分との会話で、自分のことを名前で表現する
- 儀式やルーティンを取り入れる
- 相手に気づかれないように手助けする
- 言葉よりも触れるコミュニケーションをする
- 自然に触れる(動画や画像でもOK!)
以上が今回のまとめです。
26の方法の全ては紹介しきらなかったでしたが、もしネガティブ思考に悩んでいる人は、本書の中にその悩みを解決できる方法が書かれているはずです。
もし内容に興味がありしたら、是非一度本書を手に取ってみてください。
それでは今回は以上です。長文でしたが最後まで読んで頂きありがとうございました。