皆さんこんにちは(^^)
今日も最高の読書ライフを満喫されていますか? 本日紹介するのは、『一生頭がよくなり続ける すごい脳の使い方』という本です。この本は一言で言うと『大人に合った勉強のやり方を教えてくれる本』です。
大人になってからも仕事の事や資格試験などで勉強をする機会がある方も多いのではないでしょうか?
しかし、『あれっ?昔みたいに覚える事が出来なくなってる・・・』と感じる方も多いかと思います。
そんな時によく出る言葉が『もう歳だからなぁ。昔みたいに覚えられないよ』みたいな言葉かと思います。
実際自分の周りでもそんな言葉をよく耳にします。しかし、本書では年齢関係なく、脳は成長していく!というのです。
著者は医者をされており、実際に先生が診察して指導をされた方でも、脳の変化が起こりMRIなどでよくなっている事が言われています。
ではなぜ昔のように覚えられなくなっているのか?それは先生曰く、子供の頃の勉強法では大人の脳では学習しづらいからだと言われています。
私も本書を読むまでは、昔の様に暗記を出来るように勉強していましたが、大人になっても脳の仕組みが変わっているということが知れて、大人の脳に合わせた勉強をしないといけないという事がわかってとても良い学びとなりました。
この学びをみなさんともシェアしたいので、本書の内容をかいつまんで紹介していきます。興味がある方は読んでみてください!
目次
- 作者紹介・本書をおすすめの方
- 脳はいつまでも成長できる
- 脳の仕組みを理解しよう!
- 大人脳の育て方
- 脳を働かせるテクニック
- まとめ
作者紹介・本書をおすすめの方
作者紹介
- 著者:加藤俊徳(かとう としのり)
- 脳内科医、医学博士。
- 加藤プラチナクリニック院長。株式会社脳の学校代表。昭和大学客員教授。
- 14歳の時に脳を鍛える方法を求めて医学部へ進学。
- 1995〜2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事。
- ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する『海馬回旋遅滞症』を発見。
著書
- 『脳の強化書(あさ出版)』
- 『脳の名医が教える すごい自己肯定感(クロスメディア・パブリッシング)』
- 『不安を力に変える(抹桑社)』 『ADHDコンプレックスのための”脳番地トレーニング”』
- 『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き(ダイアモンド社)』 など多数の本を出版されています。
おすすめの人
- 会社から資格試験を受けるように言われた方
- 社会人になって自主的に勉強を始めた方
- 副業に向けて勉強してる又は始める方 などの方
脳はいつまでも成長できる
本書では脳科学的に、記憶力は加齢によって下がらない事が書かれています。
しかし、歳を重ねるごとに物覚えが悪くなっていると感じる方が多くなっているのも事実です。
しかしそれには脳の仕組みが関係していたのです。記憶力が悪くなったと感じるのは、若い時と年齢を重ねた時とでは脳の仕組み、ルールが変わったから!
ここに気づかずに昔のやり方で何かを覚えようとしたりしても難しい。それは当然ですよね。
スポーツでも頻繁にルールブックが変更し昔とは少しづつルールが変わってきています。それと同じで、歳を重ねるごとに少しづつ脳のルールも変わってきているのです。
しかし、『今日から脳のルール変えますんで、よろしくです!』なんて変更ごとに通知も何も無いので、私たちは昔の感覚のままで資格試験の勉強や仕事の勉強などをして、『全然頭に入らないなぁ・・・もしかして歳のせい?』などと感じてしまっていたのです。
その逆に、脳の仕組みが変わったことにさえ気づけて、年齢に合った脳のアプローチをすら事で、80歳からでも成長出来るのです!
そこで、脳を上手に使うにはある程度脳についての知識があった方がいいです。
著者曰く、脳の最盛期は40代後半〜50代で、その後も使い方で脳は生涯成長し続けると言っています。
一般的に、脳細胞自体は20歳頃を境に減少していか事がわかっています。それが年齢と共に物覚えが悪くなると言われている原因かと思います。
しかし、脳細胞の減少=脳の成長ストップ ではありません!脳の力を上げるには脳細胞ではなく、脳細胞のネットワークを発達させる事にあります。
それができる為に、脳の環境を整える事が必要で、その為に脳の働きをある程度理解する必要があります。
まずは脳の仕組みを理解するところから始めましょう。
脳の仕組みを理解しよう!
脳には様々な役割が細分化されています。しかし、形状や働く領域などが個別化されています。本書では大まかに脳を8つの番地に分けて、それぞれの働きと結びつきをわかりやすく解説してくれています。脳がそれぞれどのように連携しているのかを少し理解しているだけで、脳の使い方がわかりやすいと思いますので、はじめに理解しておきましょう!
①思考系脳番地
脳番地のリーダー、それぞれの脳番地に指示を出して仕事をさせる。ほとんどの脳番地と連携するが、特に記憶系、理解系と連携することで能力アップする!
②理解系脳番地
現場リーダー、聴覚系、視覚系、記憶系から入ってくる情報をまとめて、思考系と相談して情報の取捨選択をして、必要なものは記憶系に渡す。
③記憶系脳番地
怠け者体質、海馬との関連が深い。各脳番地をモニターしながら、集まった短期記憶から必要な情報を長期記憶へと移動させている。感情系、思考系、理解系と仲がいい。
④感情系脳番地
脳番地で1番老化しにくい。死ぬまで成長し続ける特徴がある。記憶系と仲良し。感情系がちゃんと働くことで記憶が定着しやすくなる。
⑤伝達系脳番地
理解、記憶、運動、聴覚、視覚系と仲良し。伝達系が活躍することで、怠け者体質の記憶系が働き出す。左脳の伝達系が1番の働きもの。
⑥運動系脳番地
脳番地のエネルギーの源。ここが働くことで、全ての脳番地がパワーアップする。体を動かす以外にも、行動スケジュール管理もしてくれている。
⑦視覚系脳番地
目からの情報を思考、記憶、運動系に渡す。鍛えると短時間で得られる情報が増える。疲労し能力ダウンしやすい。
⑧聴覚系脳番地
耳からの情報を理解、思考、運動、記憶系に渡す。好きなものや元々知っているものを優先して聞こうとする癖がある。記憶系は聴覚系の情報に反応しやすい。
実際の脳番地は左右に各60づつの計120の脳番地があるのですが、その中でも特に重要なのがこの8つの働きが重要です。脳番地の特徴を理解して連携を強化することで、学ぶ力はグングンと成長していきます。
その中でも特に思考系、理解系、記憶系の働きが大人脳の勉強には重要です。ここでの情報の取捨選択によって他の脳番地系に指令を出すからです。
大人脳の育て方
【勉強=記憶】だと考えて、記憶系を鍛えるトレーニングをしたら効率的なのでは?
・・・と考える方も多いかもしれませんが、そこが脳に対する落とし穴だと著者は書かれています。単純に暗記しようと参考書をめくっていても、大人脳の記憶系はなかなか働いてくれません。
子供の頃は暗記しやすい脳の仕組みなのですが、大人になると暗記が苦手になります。
なので、漫然と暗記する為に学生の頃のように勉強しても中々憶えられないのです。大人になっても長期的に記憶するためには、ある程度コツが必要となります。
本書では様々な方法を用いて記憶出来るようにその方法が書かれています。その中でも、特に大事だなとか、簡単に出来そうだなと感じたところを中心に紹介していきます。
感情が動いた時に記憶される
喜怒哀楽が伴った出来事は覚えている事が多いという方は多いかと思います。それは記憶を司る海馬の隣には感情系脳番地の中心である扁桃体がある為だと考えられています。
感情が動くと感情系と記憶系をつなぐルートが刺激され、それを重要な情報だと判断して長期記憶となりやすいのです。つまり、エピソード記憶は無条件で長期記憶になる、という仕組みが脳にはあるということです。
なので、ポジティブな感情やワクワクな感情で勉強をすると記憶しやすくなります(^ω^)
なので、勉強が好きになる必要はありません!よく使われるのは、勉強の後にご褒美を設けておくというのが多いのではないでしょうか?
勉強した後は、美味しいおやつを食べられる!とか、好きなゲームが出来る!などご褒美を用意しておくだけでもOKです。勉強自体を好きでいる必要はないのです。
なので、嫌だけどやらないといけない勉強や宿題がある時は、ご褒美を決めてから取り組みましょう!
なるほど!が記憶のチャンス!
単純に記憶するのは子供脳だと比較的簡単ですが、大人になるとただ記憶するという事が苦手になります。
記憶するという事は、記憶した事を忘れないようにするという事です。大人脳になったらちゃんと理解して覚えた方が記憶されやすい。という事がわかっています。
茂木先生のアハ体験が一時期流行りましたが、わかった!という経験が長期記憶に保存されやすいということがわかっていれば納得ですね。
また、体験をベースにした理解は『エピソード記憶+理解』を上乗せする形で長期記憶として保管されます。自分で調べて(体験)『なるほど、そうだったのか!』(理解)と思ったことは長い間忘れないという事です。
最近ではすぐにスマホで検索できるので、この自分で調べるという体験が少なくなっているのも、憶えられない一因なのかなと感じます。
机に向かって、本を出して、どこに書いてるかを探して、読んで、納得するというプロセスも記憶するには大切な事なんですね!
予習・復習で記憶力UP!
繰り返し入ってくる情報は長期記憶へ送られやすい事がわかっています。
海馬にこれは重要な情報だと思わせるためには、定期的に同じ情報を脳に送ってあげる事が大切です。
短期記憶に保管されている2〜4週間の間に繰り返して覚える事が肝心です!勉強で復習が大切というのは、まさにこの繰り返し学習の事を言っているのですね。
ドイツの心理学者であるエビングハウスによる忘却曲線という実験からもこれは明らかになっています。
エビングハウスの忘却曲線とは?
- 覚えた知識は、最初の1時間で一気に(56%程度)忘れて、そのあとは徐々にカーブが緩やかになる(緩やかに忘れていく)。
- 1日後には74%忘れている。
- 脳が知識を忘れるスピードに個人差はあまりないと言われている。
- エピソード記憶や理解系を、働かせて覚えても、それを引き出さないといずれ記憶保管庫の中に埋もれていき、思い出せなくなる。
- 鉄は熱いうちに打て!のことわざのように、仕入れたての情報はフレッシュなうちに反復して覚えるようにする!
- エビングハウスの実験では、はじめに10個の単語を覚えても何もしなければ半分忘れていたが、1回反復すると7個、2回の反復で9個まで覚える事が出来た。復習によって記憶の定着率が向上した事が示唆された!
毎日コツコツがいいらしい
何かの学習を始めたら、1日で一気に、とかするのではなくて、毎日コツコツとその情報を海馬へと送り続ける事で、記憶に定着しやすくなります。
なので、意識的に何度も、何十回も、憶えたい事を見たり声に出したりしましょう!すると脳が重要な情報だと感じて長期記憶へその事を移動してくれます。
1回の復習でも記憶力が高まります。そして大事なのは、その日のうちに整理し直すこと。効率よく勉強したいなら、覚えたことはその日のうちに復習する!これは鉄則!
学校などの宿題で、当日習った所の復習プリントみたいなのが出ていましたが、実は理にかなってたんだなと本書を見て感じました。当時は宿題めんどくさいと思ってましたが、ちゃんと意味があるんだとこの歳で学びました(^^)
1日2時間の勉強を週1回とかよりも、1日10分を12日間続けた方が、記憶されやすいです。
脳は連続性のあることに対してとてもよく働きます。なので、まとめて週末に2時間勉強するよりも、1日に10分でもいいから毎日勉強したい事に触れる方が記憶しやすいのです。
復習時のポイント
行動心理学の用語で『初頭性効果』と『親近性効果』というものがあります。これは最初と最後の記憶が残りやすいというものです。
逆に言えば真ん中の内容はあまり覚えていない人が多いということになります。
そしてこれは、勉強にも当てはまります。なので、復習する際は記憶に残りにくい真ん中から始めたり、真ん中部分だけ復習回数を増やすなどの工夫が必要になります。
確かに、最初の方だけ覚えてるなぁとかで、真ん中が抜けてることって多いなと感じます。
この工夫だけで記憶に残る内容量が増えるなら、真ん中だけ集中的に復習する、など自分に合ったやり方を探すのも面白いですね。
『これ知ってるかも』のページから始める!
参考書を読む時は、パラパラめくり『これ知ってるかも』のページから始めましょう!
脳は好きと好きじゃないを明確に差別化します。知らないワードがたくさん出てくる事に脳は関心を示せないのです。逆に好きなことや元々知ってる知識などは、さらにもっと知りたいと探究心を発揮します。
なので、勉強め最初のとっかかりとしては、知ってる言葉や少し読んで読みやすいなど感じる部分から始めるのが憶えがいいのでオススメです。
脳が好意的になる時間は75時間経ってから!
脳が新しい勉強を受け入れて、好意的に働き出すまでに必要な時間は、おおよそで75時間必要。ちなみにこれは筆者の考えです。
ちなみに〇〇脳として脳が活発に働いてくれるまでの時間は、それより必要みたいです。
例えば、英語を話せる筆者がアメリカに行って、日本語脳から英語脳に切り替えるまでの時間、つまり普通通りに英語を話せるには5日ほどかかるといいます。
眠る以外の時間は英語に触れると考えて、5日間✖︎12〜15時間=75時間くらいという事です。
この計算では1日5時間取り組むと15日、1日1時間勉強です2ヶ月半、1日30分の勉強では5ヶ月ほどで脳番地が成長するという事です。
新しい知識を身につけるには、最低でも75時間くらいその物事について触れていけば、脳が活発に働いてくれるようになります。
新しいことが中々覚えられないのも、まだ脳番地がその情報に対して無防備だからです。
ある程度脳番地が機能し始めると覚えやすくなってくるので、この時間さえ知っていれば、勉強始めたけど覚えられないで焦ったり不安になったり落ち込んだらなど、途方もない感覚も『75時間くらい勉強しないと脳がそのジャンルのモードにならないからな!』とやり過ごす事ができるのではないでしょうか?
アウトプットを前提に勉強する!
記憶するというのは憶える力も必要ですが、それ以上に憶えた知識をいつでも引き出すアウトプットの力も同じくらい大切です。
なので、覚える時には常にアウトプットを意識した勉強法を心がける事が大切です。
脳の構造的に、視覚系、聴覚系、理解系、記憶系の脳番地はインプットの役割が大きく、脳全体で見たら後ろの方に位置しています。
反対に心が動いたりする感情系、頭を働かせる思考系、実際に行動する運動系、誰かに相談したり伝えたりする伝達系の脳番地は、取り入れた情報を元に何らかのアクションをするためのアウトプットに分類され、脳の前方に位置しています。(感情系に関しては、インプット・アウトプット両方に関わっている)。
なので、インプットした後にアウトプットをする事で初めて脳全体が活動するという事になります。
この脳の連携プレーを高めるためには、伝達系脳番地が働いてくれることが重要です!
そして、伝達系脳番地を活性化させる方法の1つがアウトプットする事です。インプットした時点からアウトプットを意識して取り組む事が重要になります。
インプットと同時にアウトプットを意識するだけで、前後の脳連携が強化されて働きをガラリと変える事が出来るようです。
ワシントン大学のジョン・ネストイコ博士らの実験結果からもアウトプットをする前提があるだけで脳の働きが良くなる事がわかっています。
56人の大学生を対象に、『後で別の人に教える』、『後でテストをする』、『特に何もしない』という3つのグループに分けて、戦争映画に関する文章を読んでもらいました。その後少し時間を置いてから、学んだ内容をテストした結果、『後で別の人に教える』事を前提としたグループの成績が最も良かったという結果が出た。という実験がありました。
そもそも脳は情報をインプットするときだけではなく、アウトプットする時に取り込んだ情報を思い出そうとする時の方がより強く記憶される『出力強化性』が備わっています。なので、アウトプット前提で勉強することは理に適っていると言えますね!
自分は聴覚派?視覚派?
勉強というのは、当たり前ですが人それぞれで最善のやり方が変わってきます。この方法はいいからやってみて!と言われたりTVで見た事を真似たりしても、頭に入ってこないなんて経験は誰にでもあるかと思います。
それはなぜでしょうか?本書では、自分の特性を知る事で記憶のしやすさが違ってくる事を書かれていました。
勉強法に関して、聴いて覚える聴覚派と、見て覚える視覚派に大きく分かれます。
自分が聴覚派なのか視覚派なのか知る事が勉強の第一歩と言っても過言では無いのです。以下に本書で紹介されていた聴覚派・視覚派の特徴を記載しますので、自分がどちらなのか当てはめてみてください!
聴覚派
女性の8割程度、ラジオや音声のみCD、オーディオブックを使った学習が向いている。
チェック項目
☑️子供の頃に音楽に関する習い事をしていた
☑️人の話を聞くのが好きで講演を聞くのも苦にならない
☑️音楽をかけるなど音がないと落ち着かない
☑️言葉や数字は口ずさんで覚えることが多い
☑️言われた事をメモしなくても忘れない
視覚派
男性の6割程度が視覚派で、文字による情報が入りやすい。
聞きながらメモをとって可視化する。かっこいい先生に教えてもらう。勉強のアイテムが自分好みのやつにする。など目に見えるものから自分のやる気を上げていくのも1つのテクニック。
チェック項目
☑️スポーツやゲームが得意
☑️自然の中で過ごすのが好き
☑️文字や数字を映像で覚える
☑️文字や絵を書いて覚えることが多い
☑️絵を描いたり見たものを再現したりすることが得意
さぁ、皆さんはどちらのタイプだったでしょうか?どちらに当てはまったかで今後と勉強方法が変わってくる気がしませんか?
自分がどちらのタイプになるのか理解したから勉強に取り組んだ方が効率の良さにつながってきます。
しかし、視覚派も聴覚派も音読での聴覚トレーニングは必須です。それは、聴覚は視覚よりも記憶に直結しており、記憶を司る海馬にアクセスしやすい特長があるからです。
高齢となり記憶力が低下する原因としては、聴覚系の働きが弱くなる事で、海馬へのアクセスがスムーズにいかなくなることが原因だと考えられるからです。
音読が複数の脳番地を働かせて記憶に定着させやすい事はわかりましたが、電車やバスでの移動中やカフェでの休憩中、図書館での勉強など人の目が気になる場所では声を出すことが憚られます。
そんな時に活躍するのが伝達系脳番地。アウトプットする前提で勉強します!本を読んで勉強した内容を自分なりにまとめてみましょう。これにより思考系、理解系の脳番地が働きます。
そして、1人になってから覚えて内容を感情を込めてプレゼンするようにしてください。
それで感情系脳番地の働き、記憶系が短期から長期記憶へと移動させてくれる可能性が大きくなります。
人に説明できてこそ真に理解出来たと言えるので、この一連を繰り返して覚えてみましょう!
復習は睡眠前に
1日で学んだ事をいつ記憶されているのでしょうか?勉強してすぐでしょうか?答えは、眠っている間に脳が情報を整理して必要な記憶を長期記憶として保管しています。
眠りには『レム睡眠』と『ノンレム睡眠』の2種類があるという事は聞いたことがあるかと思います。
レム睡眠は浅い眠りで、記憶を再生・整理しています。そしてノンレム睡眠は深い眠りで、長期記憶を形成するとされています。
この2種類の睡眠は寝ている間に何度か入れ替わりながら頭を整理してくれていますが、睡眠リズムが乱れている人は、記憶が定着しづらいため記憶力が低下しやすくなります。
また、脳にはより最新の情報を上書きする仕組みがあるため、寝る前に勉強した内容は記憶として定着させやすいのです。
なので、著者は寝る1時間前くらいに覚えたい事を振り返り復習や整理をする事を進めています。
いろいろな本で言われていますが、寝る前にスマホなどをいじってしまうと記憶が撹乱して、覚えたい内容の定着率が下がるといわれています。
寝る前スマホは現代っ子ならほとんどしてる事だと思いますが、本当に勉強したい人は寝る前にスマホを見ない習慣をつけましょう!
脳を働かせるテクニック
脳は基本怠け者で、何かにつけて楽をしたりサボろうとしてきます。
なので、私たちは脳を働かせるためには何かしらのテクニックを使いながら脳を働きやすい環境づくりをしてあげる必要があるのです。
言われると当たり前、簡単でしょ、と感じる内容ばかりですが、実際に出来ていないその方法をいくつか紹介していきます。
デッドラインを設ける
デッドラインは『期限』です。脳は期限を設けた方が働きやすくなるという特長があります。
期限が間近に迫った時に、脳はフル回転してすごい集中力を発揮してくれます。なので、何かに取り掛かる時は、初めにデッドラインを決めてから行動するようにしましょう!
脳は集中力が続く時間が限られています。今日は休みで時間があるから、3時間は勉強できる!と意気込んでも、脳にとっての3時間は長すぎます。脳にとって作業しやすい時間は、本書では20〜50分と書かれてます。
学校での授業も小学校では1回の授業が45分とかで限られていたのも、脳の集中力を考えてなのでしょうか?ちゃんと時間にも意味があったのですね(^^)
そして、大人の脳の勉強では、この50分漫然とするのではなくて10〜20分ごとに区切って集中力を持続させるように工夫しましょう。
例えば、10分でテキストに軽く目を通します。次の20分で重要な事を書き出して音読。次の10分で小テスト、最後の10分で答え合わせ。こんな具合に区切る事で集中力を持続させやすく、脳も迷う事なくスムーズに働けるのです。
このように時間を区切る事は、海馬の働きも良くなることが脳科学で明らかとなっています。
25分ごとに区切って勉強するポモドーロタイマー勉強法とかもありますが、それも効果的だと思います。
ポモドーロに関しては別の記事で紹介しようと思うので、今回は内容から省きます。
いつもの視点を少し変えてみる
記憶を定着させるために復習は必須です。ですが、脳は基本的に怠け者。うっすら覚えてる事でも『これはもう知ってるし』となり理解系の脳番地が働かないでただ見て聴いてしまっている事になりやすいです。
なので、復習をする時には自分を飽きさせない工夫が必要となってきます。それが『視点を変える事』です。
例えば、映画を最初見た時は主人公に感情を乗せて見ることが多いと思いますが、2回目見る時には違う登場人物の視点から映画を見てみるなどですね。
『今日は〇〇してみよう』というのは脳のリーダー的役割である思考系脳番地の働きです。そこからの命令なので、他の脳番地も指令がくるから働かなければなりません。
なので、同じ景色の中を散歩する時にも、『今日は店の数を数えよう』など『今日は・・・』をしていく事で、変わり映えしない景色でも視覚系や聴覚系、理解系、記憶系などが働きやすくなります。
とりあえず真似てみる
もし近くに憧れる人や尊敬できる人がいるなら、その人の真似をしてみましょう!
そうする事で自分にはない新しい脳の働きを取り入れ、自分を成長させることが出来ます。
例えば、英語の学習法として『シャドーイング』があります。これは耳から入ってきた英語を即座に真似て復唱する方法はですが、この時脳の中では模倣を助ける『ミラーニューロン』という脳細胞が働いている状態です。
このミラーニューロンは真似する時だけではなく、気持ちが共鳴する時にも働くことがわかっています。
なので、初めて取り組む事であっても『あの人みたいにああなりたい』という気持ちを抱き、誰かの真似をするだけで学ぶスピードが上がるのです。
なので、まず最初に真似する人のどんな所に憧れや尊敬などのポジティブな部分に惹かれているのか、自分の中で明確にする必要があります。
そこを明確に出来たあとは、『どうしたらあの人のようになれるのか?』、『そのために、生活や態度をどう変えるべきなのか?』を考えましょう。
これはすぐには答えが出ないと思いますが、それでも大丈夫です。考え続ける事で理解系の脳番地が刺激を受けて働きやすい環境になります。
そして、真似したいポイントが絞れたら、あとは日常生活に取り入れて1週間ほど過ごしてみます。取り入れた後に、思考や行動が少し変わるだけでも、物の見方に少しづつ変化が現れてくるはずです。
新しい習慣がなんかしっくりこない時は、また、最初に戻ってその人のことを観察してみましょう。トライ&エラーを繰り返す事で脳の高速道路と一般道路が整備されていき、脳にとって心地よい環境が出来上がってくるのです。
参考書をパラ見する
脳は知っている情報に対して親近感を持つ特性があります。
興味があるトピックに対して『もっとよく知りたい!』となり脳は働きやすくなり学習効果はとても高まることがわかっています。
なので、この特性を活かすために、勉強に取り組む前に本の全体像を頭に入れていた方が『その情報さっき見た』となり脳が働きやすくなります。
初めて接する分野のセミナーや講演などでも、前もってその分野の基礎となるキーワードだけでも少し調べておくことで、すんなりと耳を傾けられる確率が高まります。
ざっくり予習しておく。脳の準備体操だと思って簡単にパラ見しておくことも大切なんですね。
朝の短い時間で勉強してみる
脳は何度も同じ情報に触れると、大切な情報なんだと認識して記憶してくれます。
なので、朝に少し覚えたいことを勉強してみましょう。朝は脳が眠りによってリセットされた状態なので、情報が入ってきやすい状態です。
朝は勉強するには1番効率がいいのです。そして、朝に学んだ事を移動中や隙間時間にこまめに復習(見たり聞いたりするだけでもOK!)して、1日通して脳との連続性を維持、眠る前に仕上げで復習すれば、1日に何回もその情報に触れることになるので、記憶として定着する確率が高くなります。
最近は高性能のイヤホンなども多く、YouTubeなど無料で情報にアクセスできる手段も豊富にあります。ちょっとした移動でも、勉強したいジャンルの動画を聞き流すだけでも勉強になります。
学習できる量としては少なくても、その分記憶しやすくなる確率は高いと思います。この方法は忙しい社会人にはベストな方法だと思います。なので、朝のちょっとした時間を勉強に充てて見てはいかがでしょうか?
答え合わせに時間をかける
資格試験などでは、過去問や問題集を解いていくことも多いのではないでしょうか?
問題を解くにあたりどこの理解が足りていないのかが可視化されて、視覚系や理解系、伝達系も働くのでとても有効的な方法といえます。
この時のポイントとしては、限られた時間で効率よく勉強するために『解答よりも答え合わせに時間を使う』方がいいようです。
これは、なぜ間違えたのかの気づきや、解き方のポイントを再確認するなどで思考系脳番地が刺激を受けます。思考系が働くことで理解度や記憶力を深めることができるのです。
そしてもう一つ大切な事は、間違いを素直に受け入れる姿勢です。学生時代に勉強できた人ほど間違いを嫌う傾向が強いみたいです。
間違えた中で、記憶にアクセスしてあれこれ考える事で思考系脳番地は働いているので、目的は果たせているのです。
また、間違えて悔しい!ガッカリするなどの感情が働くことでその問題が記憶に残りやすくなり定着率も上がるので、間違えを受け入れる事で脳が働きやすくなり記憶しやすくなるというメリットもあります。
なので、間違えた時はチャンスだと思い、なんで間違えたのかを考える事が記憶を定着させるには必要なのです。
仕事終わりが絶好の勉強タイム
仕事で使う脳番地は8〜10時間ほどがよく働くタイムリミットです。それ以降は仕事と似たような内容の勉強は脳が働いてくれなくなります。
疲れていると省エネモードとなり働きが落ちてしまうので、学習効率が下がってしまいます。
しかし、この状態は脳のすべての機能が疲れているわけではなく、あくまでも仕事で使っている場所が疲れているだけなんです。
たとえば、営業や接客の仕事は言語を担う伝達系脳番地がよく使われており、事務職でデスクワークが多い人は主に視覚系と思考系の脳番地が使われています。
逆に言えば、それ以外の脳番地はほとんど使われていないという事です。なので、仕事終わりに他の脳番地を刺激してあげる事で脳はリフレッシュできて、疲れているという意識がスッと楽になってくるのです。
もちろん、『仕事で酷使した脳機能以外の脳番地を使う事が絶対条件』です。
デスクワークの人はオンラインで英会話を学んで伝達系を使う勉強であったり、営業や接客業では、帰りにカフェで本を読んだりするのもいいかもしれないですね。
また、散歩やジムで体を動かして運動系を刺激して脳全体を活性化するのもいいですね。
まとめ
著者のクリニックに来る方は『物忘れが増えた』『昔のような頭のキレを取り戻したい』などの悩みを話される方が多いようです。
しかしその裏には人生をまだまだ楽しみたい、まだまだ仕事を続けたい!など前向きな気持ちが同居している方が多いといいます。
MRI検査で働きの弱い脳番地がわかると、そこを働かせるようなアドバイスをして、早い人は3ヶ月ほどで脳に変化が見られるようです。
この結果を踏まえて脳の衰えに関して、年齢は言い訳に過ぎない!というのが著者の見解です。
私自身も医療関係の仕事をしていますが、脳は年齢とともに少しづつ機能が衰えてくるとばかり捉えてました。しかし、本書を読んでその考えが180度変わりました。
脳はいつからでも成長できる事を本書では学びました!大事なのは、大人には大人に合った脳の使い方をする事だとわかったので、これから勉強をするときには、どこの脳機能が使われるかを意識しながら、脳を喜ばせるようにして勉強していこうと思います。
本書の最後に、年代別の脳の特徴とおすすめの脳の使い方が書かれていたので、簡単に紹介して終わりにします。
20代
◉理解系脳番地をが未熟なので、理解したり面白いという特徴が30代と比べて少ない時期。
◉20代前半までは無意味記憶がまだ優位な人も多いので、見たもの・聞いたものを単純に記憶する事は得意。
◉おすすめの脳の使い方
- 伝達系脳番地を鍛える。音読や人にわかりやすく伝える力を磨く事で伝達系は発達する。
- 30代の脳に向けて浅く、広くでいいので幅広い分野の知識を身につける事が大切。
- 本の多読がおすすめ!疑問や興味を持ち始めると、未熟な脳番地も働きやすくなる。
- 脳の情報処理能力を上げるために積極的に運動して、運動系脳番地を働かせる。
30代
◉無意味記憶よりも意味記憶が優位に。物事をきちんと理解する事で、記憶に定着するようになる。
◉記憶や理解に関連する超側頭葉が、成長のピークを迎える。
◉おすすめの脳の使い方
- 体験学習を軸に知識を入れる。
- 運動系・視覚系・聴覚系・思考系・理解系の脳番地のネットワークが強化され、脳がより効率的に働くようになる。
- 20代で学んだ知識から、興味がある事を掘り下げて専門性を深めてみる。脳の個性を確立させる助けとなります。
40代
◉理解力が富み、脳の機能が最高潮!まさに脳の成熟期!
◉情報を分析・理解する超頭頂野の成長がピークになる。
◉おすすめの脳の使い方
- 40代は理解系が発達して高度化する。
- 学んで理解した事を人の為にアウトプットする事で、より知識が定着して新しい気づきを発見できる。
- 自分を客観的に捉えたり応用力が身に付いてくるので、積み重ねた知識や学びを社会に還元するような思考を育てていきましょう。
- 独立開業に向くのもこの時期になります。
- 多忙となる年代ですが、自分の学びの時間を確保する事が必須です。この時に新しい勉強にチャレンジする事で、50代以降の能力に差がついてくる。
50代
◉実行力や判断力を司る超前頭野の成長がピークを迎える。
◉おすすめの脳の使い方
- この年代からは加齢によって脳の老廃物が溜まりやすくなります。睡眠や運動を意識して老廃物を排出しましょう。
- 睡眠と運動を意識した生活をする事で脳を衰えさせない生活を組み立てる事が大切になる。
- 社会的な立場が上がることでを、人の話を聞く機会も増える事で聴覚系の脳番地が発達しやすくなる。
- 一方で現場から離れる事で運動系や視覚系の脳番地が衰える人も出てくる。
- ウォーキングなどで運動系の衰えを回避しましょう。
以上です。
これからの勉強や読書でも取り入れていきたい内容が多く、学生の頃との勉強方法とはやり方が全然違ってるなと感じました。
本書ではまだまだ紹介しきれていない内容もありますので、気になった方、興味を持った方は是非本書を手に取って読んでみてください。
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました。