みなさんこんにちわ!
今日も素敵な読書ライフを過ごしているでしょうか?
本日は、医師でAGE牧田クリニック院長の牧田善二先生が書かれた『糖質中毒 痩せられない本当の理由』という本を紹介したいと思います。
昨今は医療の質が向上していることもあり平均寿命もどんどん高くなっています。また、生活が豊かになったことで生活水準も昔と比べたら上がっており、世界で見ても非常に高い水準だと思います。
しかし、それに伴って昔ではみられない病気も増えています。その代表に生活習慣病があります。肥満になる人が増えたこと、生活サイクルが不規則になり自律神経が乱れやすい、食生活が乱れ暴飲暴食や偏った栄養摂取による弊害が見られています。
その中でも特に耳にする機会が多いのが『糖尿病』ではないでしょうか?一般の方でもこの病気の認知度は各種ある病気の中でも高い方ではないでしょうか?
本書でキーなる言葉で『糖質中毒』、『糖尿病』、『血糖値』などが多く使われています。言葉は知ってるけど、詳しくはわからないというかも多いかもしれませんので、後ほど簡単に説明したいと思います。
これらの事が主な原因となり、痩せられない人が多くなっているというのが著者の訴えです。糖質は体に悪い事はわかっているけど、なかなかやめられないという人も多いかと思います。
その原因や糖質制限のやり方など有益な情報がたくさん紹介されてたので、私的に大切だと感じた部分を独断と偏見で紹介していきたいと思います。
目次
- 作者紹介
- なぜ⁉︎太る原因は糖質中毒にあった!
- 実践!糖質制限でダイエット
- まとめ
作者紹介
本書は糖尿病の専門医として病院を設立された医師が書かれており、一定の信憑性はあるかと思います。
私は、どんな人が書かれているのかは非常に大事だと考えています。ここではちょしゃの紹介をしていきますが、内容だけ気になるという方は次の章から読んで下さい。
作者紹介
- 著者:牧田善二(まきた ぜんじ)
- AGE牧田クリニック院長。医学博士。
- 1979年北海道大学医学部卒業。
- ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで糖尿病合併症の原因であるAGEの研究を約5年間行う。
- 1996年より北海道大学医学部講師。
- 2000年久留米大学医学部講師を経て、2003年に東京の銀座にAGE牧田クリニックを開業。
- 著書に『医者が教える食事術』、『医者が教えるダイエット』、『医者が教える最強の解毒術』、『人間ドックの9割は間違い』など多くの本を世にだされている。
なぜ⁉︎太る原因は糖質中毒にあった!
現在、世界中で肥満者が増えているというデータがあるそうです。世界で見たら男性<女性で比較的に女性の肥満傾向が見られますが、日本では逆に男性>女性で男性の方が肥満傾向が強いという事です。
特に日本人男性は30代から体重増加が現れ始めて、40〜50代になると適性体重に収まっている人は少ないようです。
しかし、日本はまだちょっと肥満かなというレベルの人が多いですが、海外に目を向けると、BMIが40を超えるような肥満の方も多いと言われています。日本ではBMIが25未満であれば標準体重と言われるので、40という数字がいかに高いのかがわかります。
そして、肥満は心臓に大きな負担を与えるため、アメリカでは死因の1位に心筋梗塞などの心臓病が入っています。また、肥満では糖尿病をはじめ、高血圧、慢性じんぞうびょう、脳卒中、癌、アルツハイマー病などの病気は肥満と関係している可能性が高い事もわかっています。
太る原因は単純に『ものを多く食べ過ぎているから』ですが、その原因はなんでしょうか?カロリーの摂りすぎ?運動不足?年齢による代謝の低下?どれも聞いた事がありますし、原因の1つではあるでしょう。
しかし、著者はそれは根本の原因では無いと言われています。本当の原因は『糖質中毒になり、自分の脳が食べろと無理やり食べさせている』というのが問題だと指摘しています。
そして、糖質とはどんなものなのかを理解する事で簡単に体重を落とす事ができると言われています。
栄養学では炭水化物、タンパク質、脂質を3大栄養素と呼んでいます。炭水化物はご飯やパン、麺類といったいわゆる『主食』です。そして、この炭水化物こそが糖質中毒を引き起こす大きな原因になっています。炭水化物は正確には糖質と食物繊維からできていますが、ほぼほぼ糖質と考えて良いかと思います。
炭水化物は多糖類と呼ばれる糖質です。ブドウ糖がたくさん連なった構造をしているのでそう呼ばれています。ちなみに砂糖は2糖類でブドウ糖が2つ連なった構造をしているものです。どちらも消化の過程でバラバラになり1つ1つのブドウ糖になった状態で吸収されて小腸から吸収され血液の中に入り血糖値をあげます。つまり、ご飯と砂糖は体に入ると同じブドウ糖に分解されるので同じ栄養素のものだと言えます。
ちなみにうどんは1玉57gの糖質が含まれており、角砂糖14個分を摂取しているのと同じなのです。
糖質の歴史
元来、糖質とは貴重な栄養源だったので非常に重宝されていました。人類が250万年前に誕生してからはずっと狩猟や採集で木の実や山菜、魚、時々お肉を食べて命を繋いできたのです。これらは主に食物繊維やタンパク質、脂質が中心の栄養素で、糖質はほんの少しです。
約1万年前に農耕が始まり、そこで米や小麦などの糖質が含まれているものを食べはじめました。人類の歴史から見たらまだ糖質を摂り始めて少ししか経っていないのです。なので、今ほど多くの糖質を摂取するようには私たちの体はプログラミングされていないのです。
農耕が発達した事で様々な炭水化物が世界中に行き渡り、世界中で食べられるようになりました。さらに、イギリスの産業革命以降で、精製された砂糖が出回るようになって人類の中には『甘いものは美味しい』という事が脳に刻まれるようになったのです。
現在は食べ物を作って売るというビジネスが世界中で展開されていますが、食品業界は儲けを出すために商品を買った人に『また買いたい!』と思ってもらえるように日々商品の開発をしています。そして、行き着いたのが『至福点』です。これは、読んで字の如く、幸福を感じるに至る点の事です。
血糖値が上がると一瞬スカッとしたいい気持ちになります。脳が気持ちいいとかんじているのです。至福点を覚えた脳は『また気持ちよくなりたい!』と考えてついつい食べすぎたり、甘いものばかり食べてしまうということになります。これが脳を支配されている中毒症状になります。
至福点まで血糖値を上げる商品を作れば『もっと食べたい』と思わせて買ってもらえるわけですね。詳細は省きますが、清涼飲料水メーカーは、どの程度糖質を混ぜれば至福点に至るのか研究されています。
なので、現代社会ではそんな商品がそこかしこに存在しています。そんな中で糖質中毒にならないほうが難しいです。
ちなみに、脳を働かせるためにブドウ糖を!などという謳い文句がありますが、あれは半分本当で半分は嘘だと思うようにしてください。
確かにブドウ糖が豊富な体では、主に脳の活動にブドウ糖が使われますが、ブドウ糖が足りなくなり、絶食状態が6週間ほど続いたらケトン体(脂質の栄養素)という物質を栄養源として使うようになります。なので、糖質を取らなかったからといって頭が回らないなどという事にはならないのです。
糖質中毒を起こすメカニズム
糖質を摂ると体の中でどのような反応が起こっているのでしょうか?これを知る事が糖質の特性を知ることになるので、知っておいて損はありません。
まず初めに、血糖値を上げやすいものとはどんなものが思い浮かびますか?先程触れた炭水化物をはじめ、お菓子、果物、砂糖が使われている飲料水、野菜の中ではじゃがいもやかぼちゃなどが糖質を多く含んでいます。特に飲み物系(缶コーヒー、野菜ジュース、炭酸飲料、清涼飲料水 など)は胃に入ってから消化の過程を飛ばして腸に入り吸収されるので、吸収するまでの時間が短く30分もすれば血糖値が上昇してきます。血糖値が200近くまで急激に上昇する『血糖値スパイク』は下がる時も急激に下がりやすいので、低血糖になりやすいです。
逆に血糖値を上げないものは、お肉、野菜、魚などです。これは食物繊維やタンパク質が主な栄養素となっているので、基本的に血糖値は上がらないのです。
要するに、血糖値を上げるのは糖質なのです
糖質を摂る事で膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。このインスリンは上がった血糖値を下げる働きをしてくれるものだと覚えておけば良いかと思います。
それ自体は体の反応として良いのですが、糖質を多量に摂る事で血糖値が急激に高まり高血糖状態になります。すると上がった血糖値を急いで下げようと膵臓から大量のインスリンを分泌します。大量に放出しないと間に合わないからです。
ですがここで問題が出てきます。インスリンが大量であれば、今度は血糖値が急激に下がります。下がっても80程度であればいいのですが70以下になってくると『低血糖』と呼ばれる状態になってしまいます。血糖値は高すぎても低すぎても問題になるから厄介です。
特に低血糖となると脳からアドレナリンというホルモンが分泌され、様々な不快症状(イライラ、強い空腹感、冷や汗、動悸、震え、吐き気 など)が現れます。この症状は『血糖が下がってるから、速く糖質を摂れ!』という指令の意味があります。
そこで糖質を摂ると血糖値が上がるとともに、ドーパミンというホルモンが分泌されます。ドーパミンは『報酬系』とも呼ばれるホルモンで、分泌される事で幸せな気分になるのです。しかしそれも一時的で、効果が切れるとまた糖質をとりたいと感じて・・・と先ほどのサイクルを繰り返してしまいます。
これが『糖質中毒』と呼ばれる原因です。このサイクルに入っている事で、自分の意思では中々抜け出せなくなります。序盤で意思の力では痩せられないと言ったのはこの部分が原因だからです。
血糖値は70〜140程度の範囲を上下しているのが本書では理想と言っています。
血液中に溢れたブドウ糖をインスリンがグリコーゲンというものに変えて肝臓や筋肉に貯蔵します。ブドウ糖はエネルギーとして使われる分にはいいのですが、貯蔵量は限られているので余ってしまったブドウ糖はトリアシルグリセロールというものに置き換わり、脂肪に変わります。
逆に、太るという理由で嫌われている脂質ですが、本書では脂質を食べても太る事は無いと書かれています。主な理由は3つあります。
- 脂質はどんどん消費されるから
- 吸収率が悪いから
- そもそも脂質をそれほど摂っていない
今回詳しくは省きますが、この理由で太らないんだなぁと思ってくれればいいかと思います。
実践!糖質制限でダイエット
以上のことを踏まえて、糖質中毒は意思の力でなんとかするのは難しい事がわかったでしょうか?では、糖質中毒となった人はダイエットなど出来ないのでしょうか?
答えはNOです!糖質制限でも行動変容で習慣を少しづつ変えていけばダイエットが出来るのです。しかし、一気に変えるのは難しいので、少しづつ変えていくのがコツとなります。
脳が糖がないと苦しい!という状態になって、甘いものをくれ!という指令を出すので、工夫や仕組みを使って糖を摂取しないという習慣を少しづつ変えることが大切になります。意思は関係ないことを自覚する事から始めましょう。
人は『それをしないと自分に悪いことが起きる』ということがわかっていれば行動を変えることができる。だから、糖質が体にいかに悪いのか?を知識として持ってないと、行動が変わらないということです。
本書では2015年にオーストラリアで大ヒットした『あまくない砂糖の話』というドキュメンタリー映画について触れていました。この作品は、監督自らの身体を使って、いかに砂糖の健康被害があるかを訴える作品の様です。以下に内容を簡単に紹介します。
【彼は1日にティースプーン40杯分の砂糖に相当する糖質を60日間にわたり摂取し続けました。
その結果、体重は8.5kg増、中性脂肪や肝臓の数値が悪化などを始め、糖質中毒と思われる変化がありました。
- 朝起きると体がだるく、砂糖を欲する。
- 砂糖を摂ると脳が美味しいと感じ、幸せを感じる。45分くらいは気分がハイになり、子供っぽくなる。
- それを過ぎると、また体がだるくなり、集中力低下とイライラが出る。
- 砂糖を猛烈に欲しくなる。
この方がいつも摂っていた糖質は、直接的な砂糖ではなく、シリアルやヨーグルトなどに含まれていた糖質でした。これは私たちも普段から食べるもので、世間的には身体にも良いと思われる食べ物ですよね?この監督は、『健康に良いから』と食べている人でも糖質中毒に陥る可能性は十分にあるということを伝えたかったのかもしれません。】という内容です。
また、この監督はアメリカに行って食品メーカーなどへも取材を行い、『儲けるための仕掛け』を探ります。これは多分、アメリカだからではなくて、どこの国の食品メーカーにも行けることだと思いますが、この会社では、清涼飲料水などのメーカーが『砂糖をどれくらい加えたら売れるのか=人が幸福感を感じるか(至福点)』を科学的に把握しており、大量の砂糖を食品に添加しているということです。
この至福点が糖質中毒に陥る罠で、商品を口にする→糖質を摂取して幸福感を得る→糖質による幸福感が切れる→また商品が欲しくなり買う・・・というループを作っています。
もちろん商品を売るための企業努力なのでしょう。私たち一般消費者は健康的に問題があるものが多いという事実を把握して、商品を選ぶ必要があらということを教えてくれる内容ですね。
自分を変えるために
では、ここから行動を変えるための話をしましょう。まず、行動を変える5つの段階があります。
- 無関心期『行動を変える関心なし』
- 関心期『関心あるも行動はしない』
- 準備期『実行したいと思っている』
- 実行期『行動が変わってきたが続くかわからない』
- 維持期『行動変化が続けられている』
ここの記事を読まれてる人は③の準備期以降の方が多いのでは無いでしょうか?
タバコやお酒なども中毒としては同じような原理だと思いますが、どんな中毒でもやめたいと思って行動に移す人も多いかと思います。
しかし、一時は頑張って続けても、それを維持するのが1番難しいんですよね。そこで続けられずに『やっぱり自分なんて・・・、意志が弱いダメな人間だ・・・』など自分を責めてしまいがちです。
そして自暴自棄になって前より中毒をこじらせてしまう。という人も多いです。
意志の力に頼ってしまうと、こういう結果にならやすいのです。なので、意志の力に頼らずに、習慣を変えていきましょう。
糖質中毒治す為には、いかに脳を騙しながらこっそり糖質中毒から抜け出すか、が大切です。著者の患者さんには重度の糖質中毒の方もいますが、克服されている様です。そして、1番の武器になるのは意志力ではなくて、糖質に関する知識だと言います。正しい知識を持てると、正しい対処法も自然とわかります。
知識を持てたら、すでに半分は糖質中毒との闘いに勝利したも同然です。あとは知識に従って行動を変えていくだけです。著者の患者さんは結果的に糖質中毒から脱出できた方が多いと言います。
先ほどのおさらいとなりますが、肥満のメカニズムですべての元凶は『糖質が上がり過ぎる事』でしたね。血糖値スパイクを起こすとダメでした。
つまり、私たちは生活の中で『血糖値が上がりすぎないような食生活』を心がける必要がある!という事ですね(^^)
そして、血糖値を上げない為の知識として、
- 血糖値を上げない食品
- 血糖値を上げない食べ方
の2点の知識を持つ事が重要ですね!
血糖値を上げない食材とは?
基本的で当たり前ですが、糖質を含まない食べ物は血糖値を上げません。ですが、皆さんは普段この事を気にして食材を選んでいるでしょうか?ここでは食材をメインに話をしていきましょう。
先程簡単に触れましたが、糖質を上げない食材には・・・
- 野菜(根菜は除く)
- キノコ
- 海藻
- 豆類
- 肉
- 魚
- 豆腐
などは血糖値を上げない食材です。
それとは逆に糖質を多く含む食材は
- 米・パン・麺類などの炭水化物
- 芋類などの根菜やかぼちゃ
- 清涼飲料水
などは血糖値を上げる食材です。
どんな食材に糖質が多いのか?少ないのか?を知ることが糖質中毒から抜け出すための第1歩となります。大まかにでも覚えておいて損はないでしょう。
しかし、糖質が少ない食材でもスーパーやコンビニで売られている惣菜や加工品では注意が必要です。それは売る為に糖質を添加されていることも多いからですね。
血糖値を上げない食べ方とは?
食材の知識がついたら、次は食べ方にも注目していきましょう。日本人である以上、お米を食べるという機会は非常に多いのではないでしょうか?
また、パンやラーメンが好きで食べ歩きをする方もたくさんいるかと思います。しかし、これらは炭水化物です。いわば糖質の塊の様な食べ物・・・では糖質だからといって食べてはダメなのでしょうか?
本書では極端に制限することは推奨されていません。極端な事をすれば、その反動で暴飲暴食などの結果を招くことがあるからです。
大事なのは、脳を騙す事です。同じ糖質を摂取するにしても、食べ方で血糖値の上がり具合が違ってくると知っているだけでとても役立ちます。簡単でよく言われているのが次の2つです。
- 炭水化物のみで食べずに、脂質やタンパク質と一緒に食べた方が血糖値が上がりにくい。
- 炭水化物を食べる前に、食物繊維の多い野菜などを食べると血糖値が上がりにくい。
炭水化物だけで食べない
本書で紹介されていたある実験があります。
- パンだけ食べた場合
- パン+バターをつけて食べた場合
- パン+オリーブオイルをつけた場合
- パン+コーンオイルをつけた場合
の4パターンで血糖値の変化を調べるというものです。皆さんはこの中でどれが1番血糖値を上げやすいと思います?
この実験の結果は、なんと1番血糖値が上昇したのが①のパンだけ食べた場合でした。ちなみに2番目にパン+バター、3番目にパン+コーンオイル、1番血糖値の変動が少なかったのがパン+オリーブオイルでした。
感覚的には脂質が入っている方が太りやすそうな感じがしますが、炭水化物だけ食べた方が血糖値は上昇しやすいという結果となりました。
その理由として、油脂類は基本的に消化に時間がかかります。逆に糖質では消化・吸収が速く進みやすく、すぐに血液中に糖が送られてしまいます。なので、油脂類と一緒に糖質を食べる事で糖質の消化にも時間がかかってブドウ糖の吸収も通常より遅くなり一気に血糖値が上がる事を防いでくれているのです。
これに関連して言えることは、『同じパンなら食パンよりも、バターをたっぷり練り込んだクロワッサンの方が良く、具沢山のサンドイッチならなお良し』という事です。
カロリーだけで考えるとパンだけが1番低くて良いという事になるかも知れませんが、血糖値の上昇を考えると考え方が違ってきます。
むしろ色々な栄養素が入っていた方が血糖値は上がりづらいと言えるのです。こと炭水化物を食べる時は、カロリーだけで考えると逆効果になってしまう危険が高いので注意が必要ですね。
同じ様な考えで、蕎麦なら盛りのみ、具の少ないおにぎりだけ・・・で食事を終わらせる方もいるのではないでしょうか?
しかしそれは血糖値を跳ね上げる食べ方となるので推奨できません。蕎麦もおにぎりもカロリーが高くても具のたくさん入ったものを選ぶのが良いという事になります。
一時期『食べ順ダイエット』というのが流行りましたが、皆さん覚えていますか?
定食を食べる場合は、小鉢の野菜から食べて、次にメインの肉や魚、最後にご飯を食べるというものです。
先程の例で見ても、これは理にかなった食べ方だと感じます。前もって食物繊維や消化に時間のかかるタンパク質や肉の脂質をとっておくことで、最後に食べる炭水化物の糖質の分解と吸収がゆっくりとなり血糖値はご上がりづらいからです。
なので、食事をするときには、野菜やタンパク質から食べる癖をつけておく事で、血糖値の急激な上昇を防ぐことができ、肥満予防の一助となるでしょう。
しかし、食べ順をいくら良くしても、量をたくさん摂る事で結局は体に入る糖質は変わりませんので、ご飯などはなるべく少なくする方がいいでしょう。
糖質を取らない環境に!
例えば、ニコチン中毒の人の前にタバコを置いたとしましょう。その人はどんな感情になるでしょうか?ほとんどが『あー、タバコ吸いたい!』と考えてしまうのではないでしょうか?
これは他の中毒の人にもそのまま当てはまります。本気で禁煙したいと考えるならば、この人はまず、タバコを買わない事です。そしてタバコが売っているお店に行かない、タバコと関連がある持ち物(ライターや灰皿)は捨ててしまうなど、徹底的に環境を整える必要があります。
そしてこれは、糖質中毒の人にもそのまま当てはまります。糖質を制限したいのであれば、そもそも買い物でお菓子コーナーは立ち寄らない、コンビニに立ち寄らない、おやつを食べていたのであれば、おやつの代替え品を探すなどです。意思の力に頼ってしまうと、いつか心が折れて糖質を取る様になります。
なので、そもそも糖質が高いお菓子や炭水化物を自分の生活圏内に置かない様にする事はすごく大切な事です。
人は環境によって行動が大きく変わりますので、糖質が周りにない環境を自分で作ってあげることが1番良いかと思います。
頑張れた自分にご褒美を!
糖質をとる事で、一時的な幸福感を得られることが中毒に繋がっている事を先に話しました。では、逆に『糖質を制限できれば、自分にご褒美を与える』という報酬に変えてみましょう!
前もってご褒美を想定しておいて、糖質制限をするというミッションをクリア出来れば報酬をもらえるという『ゲーム化』によって糖質制限を楽しく行える様に工夫してみるのも良いのではないでしょうか?
本書では期間を設けて、その期間でお菓子などの糖質を買っていたであろう金額を自分のご褒美に回すという方法を紹介していました。
例えば、1日500円分のお菓子を買っていたら、1週間我慢できたとしたら3500円ですね。週の終わりに3500円分の自分へのご褒美に使えるのであれば、ちょっといいランチに行けちゃえますね(^^)
また、それを1ヶ月我慢できれば500円✖️30日で15000円になります。結構いいお値段ですね。欲しかった家電やゲーム、コース料理などご褒美の幅が増えますね。
また、達成できなかった場合の罰ゲームも設けることで、より頑張れるのではないでしょうか?
いずれにしても、自分で決めたルールの中でできる範囲で頑張ることがいいでしょう。ストレスを感じない程度で自分に合ったゲームを考えるのも楽しいかも知れません。
食べてすぐ運動する
自分ルールを作って頑張っていても、たまにはイレギュラーな食事会があったりして、ついつい炭水化物多めの食事になることもあるでしょう。
誘われると断りづらいですしね。でも、そんなことがあっても大丈夫です。食べた直後に運動をすることで血糖値の上昇はある程度ゆるやかにすることができます。
糖質を食べて15分程度したら血糖値は上がり始めますから、その前に体を動かす様にしましょう。
本書でお勧めしている運動は『スクワット』です。場所を選ばず、すぐに出来ます。
著者は12秒スクワットというのを勧めており、一回のスクワットに12秒かけるというものです。ゆっくり腰を下ろして、ゆっくり立ち上がる。ただこれだけです。これを10回ほど出来れば、急激な血糖値の上昇は抑えられるでしょう。
外食でも食事をした後に、トイレに行ってスクワットする。それだけで血糖値の上昇を抑えて太りづらくなるのです。
お酒は飲んでも太らない?
本書では、ウイスキーや焼酎などの蒸留酒であれば急激な血糖値の上昇はしない為、いくら飲んでも良いと書かれていました。
これは私的には『んっ⁉︎』という感じでしたが、とりあえず書かれている事を紹介したいと思います。
アルコール類で糖質を多く含んでいるものは酎ハイやビール類だと考えられます。また、酎ハイやビールほどではないですが、日本酒も多少の糖質を含んでいる為、飲み過ぎには注意が必要ですね。
また、ワインでは、ドイツの研究によると、白ワインに入っているミネラル成分に痩せる効果が確認できたこと、赤ワインではポリフェノールが豊富に含まれていることから、抗酸化作用による老化防止の効果が期待されるなど、悪い効果ばかりではないことが言えます。
ここまでが本書でお酒を飲んでも良い理由でした。しかし、これまで健康に関する本を何冊も読んできた私にとっては、痩せる・痩せない以外にそもそもアルコールが体にいいという事はないと考えています。もちろんこれは私の考えなので、そうじゃないと考えてる方がいることもわかりますので、あくまで私個人の見解です。
本書の内容と離れるのでここでは詳しい内容は省きますが、アルコール分解や毒素による影響なども多いので、トータルで考えてお酒は飲まない事を私は推奨します。
しかし、お酒が大好きだからという人もおおいので、お酒のリスクを許容できるのであれば適度に飲まれるのは良いかと思います。くれぐれも飲み過ぎ注意で。
どのくらい痩せればいいの⁉︎
先程は糖質によって血糖値が上がりすぎる事が糖質中毒や肥満の原因だという事を述べました。次は実際の細かい数字を見ていきましょう。
まずはBMIについてです。肥満は健康によくないという事は皆さん周知の通りだと思います。
しかし、実際どのくらい行けば肥満なのか?どこまで痩せればいいのか?みなさんご存知でしょうか?その1つの指標にBMI(ボディ・マス・index)を27以下に落とす事を目標にするといいと紹介されています。
これは肥満の方の死亡率が上がるのが27以上の時だからです。これは適正体重とは別になりますが、まずはクリアしやすい目標という意味で目指すのであれば、ここを目標にすると良いかと思います。
ちなみに身長とBMI:27を簡単に分ける表を記載しておきます。参考にしてくだささい。
- 150cm→60.75kg
- 160cm→69.12kg
- 170cm→78.03kg
- 180cm→87.48kg
です。この数値は男性・女性間の差は関係ないので、大体の目安にして下さい。
ちなみに痩せすぎも体にはよくないので、BMIは18.5〜27.0の間で納めていた方がいいという事です。
糖質制限ダイエットの方法
本書では今までのことを含めて、2通りのダイエットを提案されています。
- 糖質摂取量を減らす
- 血糖値を低く抑える
そもそも糖質は多くとらなくても脂質とタンパク質が充分量取れていれば大きな問題にならないので、糖質を制限したら自然と痩せていく事は今までの話からもわかるかと思います。
また、肥満になりやすい人は血糖値の乱高下(血糖値スパイク)が起こる事で太りやすくなるので、糖質をとるにしても、140以内までに血糖上昇を抑えたら、太りづらいというものです。それぞれ見てみましょう!
①糖質摂取量を減らす
本書で提案されているこの方法では、具体的には、1日の糖質摂取量を『60g以下』に抑える事を目標にします。
そうする事で、毎日100g〜200gは確実に毎日痩せていくと言われています。ある程度痩せている人はこの限りではないと思いますが、現在肥満でダイエットしたいという方であれば、着実に痩せられる方法だと考えられます。
目安として、茶碗1杯のご飯で150gの重量があり、その中に糖質は約55gです。また、うどん1玉あたりの糖質は約57g、ということは、1日にそれ以上食べてしまうと糖質の摂りすぎとなってしまいます。
重症の糖質中毒の方はいきなりこの方法では無理が来てしまうので、段階を踏んで徐々に減らしていきましょう。
まず、1日の糖質摂取量を120gまでOKとして、そこから徐々に減らしていく方法を取ります。この量では痩せないものの、これ以上は太らない所から始められるので、この食生活に慣れてきたら、1日100g、80gと少しづつ減らしていきましょう。
まずは糖質中毒から抜け出さないといけませんが、1日に糖質摂取量が100g程まで落とせたら、重症の糖質中毒から抜け出せたと考えていいみたいです。
②血糖値を低く抑える
血糖値を抑えると言っても、その都度測定する必要があります。
血糖値を測るには、指に針を刺して血を少量専用の機械に落とす事で使うんじゃないか?と考える人が多いかと思います。
しかし、現在は『リブレ』という機械があり、針を刺して血糖値を測定しなくても簡単に測れる画期的なものが市販で手に入る時代となっています。
私もみた事はありませんが、アスリートなども体調管理で使っている様とのことです。
簡単な説明になりますが、腕にセンサーを貼り付けて、血糖値を読み取るリーダーがあるだけみたいですので、扱い方はとても簡単そうです。
これを使って、色々な食事や飲み物を測定してみると、どんなものが血糖値を上げるのかがよくわかるみたいです。
私は楽天経済圏で生活する人間なので楽天で調べてみた所、リブレのバーコードリーダーのみで約7500円前後、リブレのセンサーも1つ(連続2週間使用)約7500前後です。この商品は1日に2回のインスリンを摂取してる人なら保険適応の商品という事です。
保険を使えなくても自費負担で購入できますので、減量中のアスリートや重度の糖尿病でインスリン使用者、糖質中毒でダイエットを始める方などにはお勧めできるかと思います。
もし気になった方は調べてみてはいかがでしょうか?
まとめ
今回は医師の牧田善二先生が書かれた『糖質中毒 痩せられない本当の理由』を読んでみて、内容をギュッとして紹介してみましたがいかがでしたか?
普段何気なく食べているものにも、糖質がたくさん入っている事を知り、少し怖くなりました。
身近にこんなにも糖質という見えない爆弾が仕込まれていると思うと太らない方が難しいなと思わされます。
なので、どんな食材が適切なのか、何の食材は糖質が多くてリスクがあるのか?など自分で知識として知っておくことが非常に大切だなと感じました。
商品に表示されている事だけではわからないものもあるので、買い物の時には気をつけないといけませんね!
糖質を摂らないことが、ダイエットになるし、健康にもなるし、美容にも良いと、糖質に注意をするだけでもたくさんの恩恵がある事が学べる一冊でしたので、すごく参考になりました。
それでは最後にまとめをして終わりにしたいと思います。
- 太る原因はカロリーじゃなくて糖質
- 糖質をとって血糖値が乱高下する事で太る
- 糖質は意思の力ではどうにもできない
- 糖質を食べない習慣を作る
- 終末糖化産物(AGE)は老化しやすい
- 同じ糖質でも食べ方によって血糖上昇を抑えられる
- 液体の糖質は血糖値が上がりやすい
- BMIを27.0以下にすることをまずは目標に!
- 血糖値の上昇は140までに抑える。
- 1日の糖質量を60gに抑える
- リブレを使えば食べ物ごとの血糖値上昇がどのくらいか測れる
以上です。
中毒になると自分の意思ではなかなかコントロールが出来ないので、なるべく糖質の高いものを生活環境の中に置かないようにしますたいですね。
自分を変えるために、まずは環境を変えていきましょう。それでは今回はこれで終わりにします。
長文でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。